OS
「OS(オペレーティングシステム)」とは、PC全体を管理するソフトウェアのことで、これなしにはPCは動くことさえできないくらいに重要な存在です。
ここでは、OSの具体的な役割や知っておきたい基礎知識について、お話ししています。
「OS(Operating System : オペレーティングシステム)」とは、利用者(ユーザー)にPCを使うための環境を提供するソフトウェアのことです。「基本ソフト」などともいわれます。
PCを構成する物理的な機器である「ハードウェア」も、そのハードを動かす「ソフトウェア」も、全てOSにより正しく認識されることによって始めて利用可能になります。
なぜなら、ハードもソフトも多種多様な企業や個人によって作られますが、統一的な仕様というものは存在しないからです。そこでハードとソフトの間に入ってルールを作ることにより、両者の仲介をするというのがOSの一番のお仕事になるのです。
PC向けOSには「Microsoft(マイクロソフト)社」の「Windows(ウィンドウズ)」、「Apple(アップル)社」の「Mac OS(マックオーエス)」や「OS X(オーエステン)」、あるいは有料無料を問わず様々な種類が存在する「Linux(リナックス)」などがありますが、ソフトはOSが定めるルールに従うため、特定のOS向けのソフトは別のOSでは動かすことができません。つまり、「Mac」ではWindows向けゲームソフトはプレイできないということなのです。
ただし、PC向けゲームの大半はWindowsを想定して作られていますので、ゲーム目的であればWindowsマシン以外の選択肢はないといっても過言ではありません。よって、ここではWindowsに絞って、お話しを進めたいと思います。
Windowsの「バージョン」とは、「Windows 7」や「Windows 8.1」、「Windows 10」などの「Windows OSの種類」のことを指しています。
Windowsは数年間隔で新しいバージョンが発売されてきましたが、OSは販売すればそれで終わりという訳ではありません。
OSというプログラムは非常に巨大ですので、「バグ(プログラム上の問題)」がたくさん含まれているのが当たり前なのですが、そういったバグを修正するためのパッチが毎月配布され、OSを最新の状態に保つ必要があるのです。
これが「Windows Update(ウィンドウズアップデート)」です。また、バグだけでなく、新機能の追加や「サービスパック」と呼ばれるまとまったバージョンアップなどもWindows Updateで行われます。
しかし、Windows Updateはずっと受けられる訳ではありません。各バージョンのWindowsはサポートされる期間が決まっていて、それを過ぎたWindowsはWindows Updateの対象から外れてしまうのです。
サポート期間が終了したWindowsは利用可能ではあるのですが、セキュリティに問題があっても更新されないため、以前と同じように使うのは大変危険な行為となります。
以下に、Windowsの各バージョンとサポート期限を示します。
バージョン | 発売日 | メインストリーム サポート期限 | 延長サポート期限 |
---|---|---|---|
Windows XP | 2001/12 | 2009/04 | 2014/04/08 |
Windows Vista | 2007/01 | 2012/04 | 2017/04/11 |
Windows 7 | 2009/10 | 2015/01 | 2020/01/14 |
Windows 8 | 2012/10 | 2018/01 | 2023/01/10 |
Windows 8.1 | 2013/10 | ||
Windows 10 | 2015/07 | 2020/10 | 2025/10/14 |
基本的に新世代のOSは、旧世代の機能を継承するので、Vista向けのソフトが10でも問題なく動くということも良くあります。
しかし、同じWindowsとはいえ、OSの種類が違えばソフトは動かなかったり、動いても動作中にエラーが発生して終了したりと不安定になることも多いのです。
よって、基本的には、各ソフトが正式に対応を発表しているOSを選ぶのが無難です。
PCゲーマーは新しいOSにすぐに飛びついたりはしません。出始めのOSは、OS自体に不具合が多いこともあるのですが、何よりプレイ中のゲームが完璧に動作する保証がないことがその最大の理由です。
ゲームだけでなく、他の種類のソフトでも同じです。OSというシステムの根幹を成すソフトは、「安定していることが最重要」だと覚えて帰って下さい。
さて、現在のWindowsの最新バージョンは「Windows 10」ですが、「Microsoft社」はこれを「最後のWindows」と位置付けています。これからは新しいWindowsの開発は行わず、Win10に定期的に大型アップデートを施していくという形を取ることにしているのです。
つまり、MSの現在の方針では、Win10を持っておけば、OSの買い直しが不要になったということです。
とはいえ、ライセンスに関しては、以前と同じですから、基本的には単体で買ったOS以外は、異なるPC間で使い回すことはできませんので、注意が必要です。
実は、同じバージョンのWindowsにもいくつかの種類が存在します。この種類のことを「エディション」と呼びます。
OSのエディションは、機能の差によって分類されます。制限が多いものほど使える機能は少なくなりますが、同時に価格も安くなります。
各バージョンごとにエディションの名前が異なったりもするのですが、「Home」が付くタイプと「Pro」が付くタイプが「個人向け」の主流になります。
例えば「Windows 10」ならば、「一般向け」の「Windows 10 Home」と上級者向け」の「Windows 10 Pro」がそれに該当します。ProはHomeの機能を全て備えている上、Homeにはない機能もありますので、ProはHomeの「上位エディション」ということができます。
ただし、Proの方が高機能高価格ですが、高速だとか安定しているということではありませんので、多くの人にはHomeで充分かと思います。
OSに関する項目で良く見かける「32bit/64bit」というのは、ここでは系列の違いという認識で構いません。各Windowsには「32bit系」と「64bit系」の2種類があるのです。
32bit系は古い系列です。これが残っているのは、古いハードやソフトなど過去の資産を使う必要がある人のためといって良いでしょう。
また、新しいハードでも記憶装置の容量が少ない場合は、システムが小さい32bit系の方が良いこともありますが、ゲームPCでは性能不足となる可能性が高いため、特別な理由がない限りは64bit系を選ぶべきだと思います。
「DirectX(ダイレクトエックス)」とは、映像、音声などのマルチメディア関連の処理でハードの性能をより引き出すためのプログラム群で、開発は「Microsoft」が行っていて、Windowsに標準でインストールされています。
ただし、Windowsのバージョンにより搭載されるDirectXのバージョンが異なり、アップデートで新しい世代のDirectXに入れ替えることも基本的にはできませんので、注意が必要です。WindowsとDirectXの対応表を以下に示します。
Windows | DirectX |
---|---|
Windows XP | DirectX 8.1 |
Windows XP SP2 | DirectX 9.0c |
Windows Vista | DirectX 10.0 |
Windows Vista SP1 | DirectX 10.1 |
Windows Vista SP2 Windows 7 | DirectX 11.0 |
Windows 7 SP1 Windows 8 | DirectX 11.1 |
Windows 8.1 | DirectX 11.2 |
Windows 10 | DirectX 12 |
DirectXは基本的に後方互換性を持つため、新しいバージョンのDirectXがインストールされていれば、古いバージョン向けのソフトも動かすことが可能です。
もし、ソフトの起動時に「D3DX~がない」などのメッセージが出た場合は、必要なDirectXの機能がないので「DirectX エンドユーザー ランタイム」と呼ばれるプログラムをインストールする必要があります。
また、グラフィックボード(GPU)にも、どのDirectXに対応しているかの条件があります。つまり、ある世代のDirectXの機能を使うには、OSとGPUとソフトが全て対応していなければならないということです。