第12世代Intel Core（Alder Lake）

第12世代Core: Alder Lake（アルダーレイク）の最大の特徴は、big.LITTLEという概念を取り入れた点にあります。

big.LITTLEとは、高性能なコアと高効率なコアの2種類のコアを持ち、重めな処理を前者に、軽めな処理を後者に振り分けることによって電力効率を高める技術のことです。Intelは高性能コアのことをP（Performance）コア、高効率コアのことをE（Efficient）コアと呼んでいます。

Alder LakeのPコアにはGolden Cove（ゴールデンコーヴ）アーキテクチャが使われていますが、Cove系アーキテクチャは現在のIntelのPC向け主力CPUアーキテクチャです。

EコアにはGracemont（グレイスモント）アーキテクチャが採用されていますが、これはIntelのモバイル向け低消費電力CPUブランドであるAtomで使われているmont系アーキテクチャのコアです。

Pコアには性能面で劣るとはいえ、GracemontコアはIntelの数世代前の主力アーキテクチャだったSkylake（スカイレイク）コアとのシングルスレッド性能における比較で、同じ性能なら消費電力は40％以下で済み、同じ消費電力なら40％も性能が高いとされていますので、決しておまけとして付いてくるレベルのコアではありません。

ただし、ノート向けCPUは全てのモデルがEコアを備えていますが、デスクトップ向けCPUでEコアを備えるのはCore i5-12600K / 12600KF以上の上位ブランドのみで、下位ブランドは従来通りPコアのみの構成となっていますので、注意が必要です。

Alder Lake世代の先陣として、2021年11月にCore i9-12900K / 12900KF、Core i7-12700K / 12700KF、Core i5-12600K / 12600KFなどのK付きCPUが発売になりました。

その後、2022年1月にPentiumやCeleronを含む下位クラスのラインアップの拡充が行われ、さらに2022年4月にはスペシャルエディションと呼ばれるハイエンドモデル、Core i9-12900KSが発売されました。