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GPUの選び方

最終更新日 : 2019/12/03

select-gpu

長らくご愛顧頂きました PC de GAME - BTOとゲーミングPCのお話 は、 PCpedia としてリニューアル、再出発することになりました!

これまで以上に、皆様のお役に立てるサイト作りを心掛けて参りますので、今後ともよろしくお願い致します。

PCの動作の中でも「グラフィック処理」はかなり負荷の掛かる仕事といえますが、「動画」を見るくらいであれば、良いGPUは必要ありません。 CPU内蔵GPU でも充分なくらいです。

しかし、「3Dグラフィックス」の処理には膨大な計算が必要になりますから、GPUへの要求性能は格段に上がって、CPU内蔵GPUでは難しくなるのが現状です。「高精細な3Dゲーム」であれば、尚更です。

よって、「ゲーミングPC」において、GPUは「最重要パーツ」になるのです。

ここでは、「ゲーミングPC向け」を中心とした「GPUの選び方」についてお話ししていますが、基本的な部分は一般用途においても同じですから、参考にして頂ければと思います。



GPUの選び方

GPUの基礎知識については、以下のページでお話ししていますので、適宜参照して下さい。


「GPU」は、グラフィック処理を専門に行うCPUのようなパーツです。グラフィック関連の処理は重くなりやすいため、専用のパーツを用意して処理をさせる必要があるのです。

それでは、適切なGPUを選ぶ方法を、順を追ってお話ししていきます!

[1]: GeForceか、Radeonか

PC向けのGPU開発会社には、「NVIDIA」や「AMD」、またiGPU(CPU内蔵GPU)を含めると「Intel」などがありますが、dGPU(グラフィックボードに載せるGPU)のブランドといえば、NVIDIAの GeForce とAMDの Radeon が事実上の選択肢となります。

そこで、まずは「GeForceとRadeon、どちらを選ぶべきか」から始めようと思いますが、この段階で完全に決めきる必要はありません。重要なのは、GeForceとRadeonの特徴を知り、自分に必要なのはどちらなのかをしっかりと理解することだからです。

以下に、それぞれの「一般的な評価」を示します。

GeForce ブランド Radeon
ゲーム向き 特徴 動画向き
高い シェア 低い
低い 消費電力 高い
高い 価格 安い

GeForce GPUとRadeon GPU、それぞれの「特徴」といえば、前者が「ゲーム向き」、後者が「動画向き」という点が挙げられます。GeForceは「3Dグラフィックスの処理能力」に、Radeonは「発色の鮮やかさ」に定評があるのです。

また、高性能GPUを必要とする理由の多くが「ゲーム」ですから、ゲームに強いGeForceの方が「シェア」が高くなるのは必然といえるでしょう。

それから、少なくともゲーム用途においては、GeForce GPUの方が「ワットパフォーマンス(電力効率)」も圧倒的に上です。

唯一、「価格」だけがRadeonの強みといえそうですが、これはあくまでも同クラスGPU同士の比較、つまり現行世代のハイエンド同士やミドルスペック同士の価格を比べてのお話しで、Radeonは相対的に性能が低いですから「コストパフォーマンス」という意味ではさほど良くはありません。

つまり、「GeForce >> Radeon」といっても差し支えないのです。よって、「GeForceが前提」くらいの考えで良いと思います。


しかし、「Radeon RX 5700シリーズ」の登場で、風向きが変わりました。それまで「GPGPU(GPUをCPUのように扱うための技術)向け」に設計されていたRadeon GPUでしたが、RX 5700シリーズからはGeForceと同じく「ゲーム向け」に方針を変えたのです。

これにより、GeForceとRadeonの「ゲーミング性能」の差はそれほどなくなりつつありますので、現在ではRadeon GPUも充分考慮するに値するようになってきています。


最適化

さて、PCに関する重要な概念の一つに「最適化」と呼ばれるものがありますので、お話ししておきましょう。

最適化とは、「あるハードウェアや環境に向けて作成することで、パフォーマンスを向上させること」をいいます。

ソフトウェアが動くハードや環境はそれぞれ異なりますから、ソフト開発者が使用できる技術や機能なども、対象となるハードにより違いが生じます。

どのハードにも依存しない「オーソドックスで一般的な環境」に向けて作成すると、ハードの持つパワーを充分に生かせない場合があります。これはもったいないですから、ソフト開発者は特定の環境に絞って開発を行うことがあるのです。これが、最適化です。

また、ソフトのリリース後に、GPUメーカーが「ドライバ(ハードを動かすシステムソフトウェア)」や専用ソフトなどを通じて、特定のソフトのパフォーマンスを上げるアップデートを行うこともありますが、これも最適化といえるでしょう。


それから、GeForceのシェアの高さの理由の一つに、最適化が挙げられます。

ゲーム開発者がゲームに強いGeForce GPUを想定して開発を行うと、ゲーム目的の一般ユーザーはGeForce GPUを「優先的に選ぶ」という流れが生まれます。

これによりGeForceのシェアが上がり、開発者は「シェアの高いGeForceへの最適化を強める」という構図になります。すると、性能をフルに発揮できるGeForceが一般ユーザーから「さらに選ばれやすくなる」というスパイラルが出来上がるからです。


しかし、先ほどお話しした通り、Radeonも「ゲーム寄り」に路線変更しましたので、これからはRadeonに最適化されたソフトも増えてくることが予想されます。また、家庭用ゲーム機にRadeonの採用例、採用予定が多いことも追い風になるでしょう。

もうしばらくはGeForce有利の流れが続くかと思いますが、Radeonにも将来性は少なからずありますし、現時点でもRadeonに最適化されたゲームは存在しますので、プレイしたいゲームが決まっている人は、その辺りを一度調べてみると良いかもしれません。

[2]: グラフィック品質は解像度とフレームレートに依存する

グラフィック品質を決めるパラメータはいくつもありますが、中でも中心となるのが「精細さ」と「滑らかさ」です。きめ細かい画像が滞りなく動くと、人は美しいと感じるからです。

グラフィックにおいては、精細さの指標を「解像度」、滑らかさの指標を「フレームレート」といいます。基本的なことは、以下のページでお話ししていますので、ご参照下さい。

一般的な「快適さの基準」は、「解像度」が「フルHD(1920 x 1080)」で「フレームレート」が「60fps(秒間60フレーム)」です。FHD : 60fpsを満たしていれば、多くの人が違和感なく、それなりに満足のいく映像体験を得られるでしょう。

また、ゲーム制作者は多くの人にゲームをプレイしてもらいたいため、想定するGPUの「スペック(仕様、性能)」をあまり高く設定したがりません。「ハイスペック」を前提にしてしまうと、プレイヤーの母数が限られてしまうからです。

この2点を合わせると、ゲーム制作者は「普及させやすい価格のGPU」で「FHD : 60fps」をこなせるグラフィック品質を目指している、ということになります。


これ以上のレベルとなると、精細さを追求するならば「4K(4000 x 2000級)解像度」を、滑らかさを追求するならば「120fps」を目指すことになりますが、残念ながら現在の技術では「4K : 120fps」はまだまだGPUパワーが足りませんので、「4K : 60fps」か「FHD : 120fps」などが目標ということになります。

ざっくりとした数字ですが、各スペックのGPUが目標とする解像度とfpsの目安は、以下の表のようになります。

スペック解像度 : fps
ハイエンド
(最高性能)
4K : 60fps~
FHD : 120fps~
ハイスペック
(高性能)
4K : 30~60fps
FHD : 60~120fps
ミドルスペック
(中性能)
FHD : 30~60fps
ロースペック
(低性能)
FHD : ~30fps

[3]: GPUの格付け

続いて、GPUをそれぞれのスペックに分類していこうと思います。

ここでは、海外のサイトになりますが、 PC GAMER さんが公表しているベンチマークテスト(「最新の11のゲーム」で計測したフレームレート)の結果をお借りしようと思います。詳細は、以下のページでどうぞ。

→ AMD Radeon RX 5700 XT review

対象となるGPUは、「GeForce RTX 20シリーズ」と「GeForce GTX 16 / 10シリーズ」、「Radeon RX 5700 / Vegaシリーズ」と「Radeon VII」となります。

また、当サイトでも PassMark さんが公表しているベンチマークテストの結果をまとめていますが( GPU比較&ランキング )、こちらも参考にしていますので、チェックして頂ければと思います。



4K(2160p) - Ultra(最高品質)

11 Games Average
GPU平均
/最低
fps(Max: 120fps)
RTX 2080 Ti Avg70.4
Min55.8
RTX 2080 Avg55.4
Min43.8
GTX 1080 Ti Avg53.2
Min41.8
Radeon VII Avg50.6
Min38.7
RTX 2070 SUPER Avg50
Min40
RX 5700 XT Avg45.9
Min30.3
RTX 2070 Avg45.3
Min36.5
RTX 2060 SUPER Avg43.3
Min34.4
RX 5700 Avg41
Min27.4
GTX 1080 Avg40.8
Min32.1
GTX 1070 Ti Avg37.2
Min29.7
RX Vega 64 Avg37.1
Min29.3
RTX 2060 Avg35.7
Min27.7
RX Vega 56 Avg33.8
Min26.9
GTX 1070 Avg32.8
Min26.1
GTX 1660 Ti Avg29.1
Min23
GTX 1660 Avg24.5
Min19.5
GTX 1060 Avg22.6
Min18
GTX 1060 3GB Avg17.7
Min12.7
GTX 1650 Avg15.8
Min12.1
GTX 1050 Ti Avg13.1
Min10.1
GTX 1050 Avg8.6
Min5.1

1440p - Ultra(最高品質)

11 Games Average
GPU平均
/最低
fps(Max: 120fps)
RTX 2080 Ti Avg114.8
Min83.9
RTX 2080 Avg94.1
Min70.5
GTX 1080 Ti Avg91.2
Min67.9
Radeon VII Avg87.3
Min64.6
RTX 2070 SUPER Avg86.9
Min65.2
RX 5700 XT Avg83.6
Min56.3
RTX 2070 Avg79.4
Min60.5
RTX 2060 SUPER Avg75.9
Min57.7
RX 5700 Avg73.3
Min48.8
GTX 1080 Avg72.4
Min55.4
RX Vega 64 Avg67.3
Min51.1
GTX 1070 Ti Avg66.9
Min52
RTX 2060 Avg66.1
Min50.5
RX Vega 56 Avg60.5
Min45.9
GTX 1070 Avg58.6
Min45.6
GTX 1660 Ti Avg56.8
Min43.8
GTX 1660 Avg48.2
Min37
GTX 1060 Avg41.6
Min32.7
GTX 1060 3GB Avg35.7
Min26.6
GTX 1650 Avg32.5
Min24.3
GTX 1050 Ti Avg24.4
Min18.6
GTX 1050 Avg19.5
Min14.3

1080p - Ultra(最高品質)

11 Games Average
GPU平均
/最低
fps(Max: 240fps)
RTX 2080 Ti Avg138
Min97.3
RTX 2080 Avg120.9
Min87.2
GTX 1080 Ti Avg117.3
Min83.1
RTX 2070 SUPER Avg115.1
Min81.4
Radeon VII Avg114.2
Min79.8
RX 5700 XT Avg111.2
Min76.3
RTX 2070 Avg106.5
Min76.2
RTX 2060 SUPER Avg102.7
Min73.4
RX 5700 Avg99.8
Min66.1
GTX 1080 Avg98.5
Min71.9
RX Vega 64 Avg95.2
Min68.6
GTX 1070 Ti Avg92.9
Min68.6
RTX 2060 Avg92.5
Min67
RX Vega 56 Avg85.3
Min62.3
GTX 1070 Avg82.2
Min62
GTX 1660 Ti Avg80.4
Min59
GTX 1660 Avg68.4
Min50.4
GTX 1060 Avg60.6
Min46.7
GTX 1060 3GB Avg53
Min39.8
GTX 1650 Avg48
Min36
GTX 1050 Ti Avg36
Min26.9
GTX 1050 Avg28.7
Min20.6

1080p - Medium(中程度の品質)

11 Games Average
GPU平均
/最低
fps(Max: 240fps)
RTX 2080 Ti Avg183.8
Min124.9
RTX 2080 Avg172.9
Min118
RTX 2070 SUPER Avg167.2
Min114.7
GTX 1080 Ti Avg166.1
Min115.2
Radeon VII Avg163.3
Min113.9
RX 5700 XT Avg160.1
Min108
RTX 2070 Avg157.7
Min111.9
RTX 2060 SUPER Avg153.5
Min109.8
RX 5700 Avg147.5
Min99
GTX 1080 Avg145.1
Min105.2
RX Vega 64 Avg140.7
Min102
RTX 2060 Avg139.9
Min102.8
GTX 1070 Ti Avg137.8
Min100.4
RX Vega 56 Avg128
Min94.6
GTX 1070 Avg123.9
Min93.4
GTX 1660 Ti Avg123.6
Min90.6
GTX 1660 Avg105.5
Min78.9
GTX 1060 Avg93.9
Min73
GTX 1060 3GB Avg88.4
Min68.6
GTX 1650 Avg76.6
Min58.9
GTX 1050 Ti Avg57.4
Min46
GTX 1050 Avg46.8
Min35.8

一般的なGPUのスペックの分類法

「GeForce」は「下2桁の数字」でその世代(シリーズ)における相対的な性能を表しますが、一般的には「x70(下2桁が"70")」以上を「ハイクラス」に分類します。

また、「最高性能」を意味する「ハイエンド」は「x80 Ti」が代々担ってきました。現行世代でいうと「GeForce RTX 2080 Ti」が該当しますが、「Ti」とは同じ数字を持つGPUの「強化版」というような意味合いです。

そして、「x60」と「x50」を「ミドルクラス」に分類しますが、明確な基準がある訳ではないので、「x40」などを含むこともあるかもしれません。また、これら未満は「ロークラス」ということになります。


「Radeon」もGeForceと同じく「下2桁の数字」で相対的な性能を表していましたが、「RX Vegaシリーズ」以降は毎世代命名規則が変わっているため、GPU名から直感的にスペックを判断するのが難しくなっています。

ただ、「コア数」を見ると、おおよその相対的位置が分かるようになっています。

GPUコア数
RX 5700 XT2560
RX 57002304
Radeon VII3840
RX Vega 644096
RX Vega 563584

Radeonの場合、コア数が「2000個台」のGPUは「ミドルクラス」で、「3000個以上」になると「ハイクラス」に相当することが多いかと思います。

また、Radeonはここ数世代、「ハイスペック世代」と「ミドルスペック世代」で奇麗に分かれているのが特徴的です。「RX Vegaシリーズ」とその次の「Radeon VII(1モデルのみなのでシリーズ化していない)」は「ハイスペックのみ」で、最新の「RX 5700シリーズ」は「ミドルスペックのみ」だからです。

Vegaシリーズ以前の「RX 400シリーズ」と「RX 500シリーズ」も「ミドルスペックのみ」でしたので、直近5世代のクラスは古い順に「ミドル・ミドル・ハイ・ハイ・ミドル」という並びになっています。

ただし、RX 5700シリーズからは基本的な設計(アーキテクチャ)が変わったため、「ゲーミング性能」が飛躍的に伸びています。現に、「RX 5700 XT」はスペック上はミドルクラスですが、前世代ハイエンドモデルRadeon VIIに迫る性能を見せているのが、スコアからも分かります。


以上が、GeForceとRadeonの一般的なスペックの分類法です。

当サイトにおけるGPUのスペックの分類法

さて、一般的な分類法はお分かり頂けたかと思いますが、当サイトではこれにいくらかの独断と偏見を加えた分類法で「格付け」を行いたいと思います。

まず、「ミドルクラス」の基準といえば「FHD : 60fps」ですが、細かくいうと、ミドル級の中でも上位に位置する「アッパーミドルクラス」がこの数字をターゲットにしてきました。よって、FHD : 60fpsは「ミドルとハイの境目の基準」といった方が良いでしょう。

表では「GeForce GTX 1060」がFHDで「平均60fps」をちょうど満たすGPUとなっていますので、ミドルクラスの上限としたいところですが、GTX1060の後継モデルとなる「GTX 1660(平均68.4fps)」がGTX1060より少し上の性能で、なおかつ自身の強化版となる「GTX 1660 Ti(平均80.4fps)」とはやや差があるように見受けられますので、この辺りをミドルとハイの境目にするのが自然かと考えます。

よって、「GTX1660までをミドルスペック、それより上をハイスペック」と定義します。


次に、「ハイエンド」に関しては、フレームレートで「4K : 60fps」を達成できるかどうかが目安ですが、「GeForce RTX 2080 Ti」を除いて「平均60fps」には届いていません。

では、「FHD : 120fps」はというと、「平均120fps」をクリアしているのはRTX2080Tiと「RTX 2080」だけです。

これだけでは寂しいので、もう数モデルラインアップに加えたいところですが、「FHD : 120fps」では差はないものの、「4K : 60fps」では「RTX 2070 SUPER(平均50fps)」と「Radeon RX 5700 XT(平均45.9fps)」の間に少し大きめな差があるように見受けられます。

よって、条件により序列が多少前後したり、RX5700XTが元々ミドルスペックGPUであったりすることも加味して、「ハイエンド級GPU」には「GeForce RTX 2080 Ti / 2080 / RTX 2070 SUPER / GTX 1080 Ti」と「Radeon VII」の5つのGPUを挙げたいと思います。

また、新たに「GeForce RTX 2080 SUPER」が発売されましたが、コンセプト通り、RTX2080TiとRTX2080の間くらいの性能ですので、これも「ハイエンドクラス」に分類することとします。


最後に、「ミドルスペック」と「ロースペック」の境目ですが、ここ数世代の「GeForce GTX」の名前を持つデスクトップ向けGPUで最も性能が低いのが「GTX 1050」ですので、これまでをミドルスペックと定義します。


まとめると、以下の表のようになります。

スペック解像度/fps GPU
ハイエンド
(最高性能)
4K : 60fps~
FHD : 120fps~
RTX2080Ti
RTX2080SUPER
RTX2080
RTX2070SUPER
GTX1080Ti
RadeonVII
ハイスペック
(高性能)
4K : 30~60fps
FHD : 60~120fps
RTX2070
RTX2060SUPER
RTX2060
GTX1660Ti
GTX1080
GTX1070Ti
GTX1070
RX5700XT
RX5700
RXVega64
RXVega56
ミドルスぺック
(中性能)
FHD : 30~60fps GTX1660
GTX1650
GTX1060
GTX1050Ti
GTX1050
ロースぺック
(低性能)
FHD : ~30fps -

[4]: 目的、目標をはっきりさせる

さて、ここからいよいよ具体的なGPUの選定に入っていきますが、まずやるべきことは「目的、目標をはっきりさせること」です。

これまでに「各スペックで何ができるか(解像度 / フレームレート)」と「各GPUはどれくらいのスペックに属するか(格付け)」についてお話ししてきました。ということは、目的、目標が分かれば、逆算的に必要となるGPUはある程度絞られるはずです。

もし、プレイしたいゲームが決まっているならば、「動作環境」などからどれくらいのスペックが必要かを割り出すことができます。

ゲームが決まっていなくても、ゲーム制作者が基準とする「ミドルスペック」を中心に、希望する「解像度」と「フレームレート」などを考慮に入れると、大体のスペックが見えてきます。

すると、「最低限超えなければならないライン」が分かり、そのラインの上にあるGPUが「必要なGPU」になるという訳です。

このようにしてGPUを大雑把にでも決めておくと、次のステップ以降が非常にやりやすくなりますので、是非トライしてみて下さい。

がっちりと固める必要はありません。重要なのは、自分がそのGPUを使って目的を達成できているイメージ(最高の映像品質にどっぷりつかっている、グラフィック品質は低くても充分に楽しめているなど)が浮かぶかどうかです。

[5]: GPUを決める

GPUがおおよそ決まったら、次は「そのGPUで本当に良いのか」、「もっと相応しいGPUがあるのではないか」など、細かい不安や疑問を解決していく作業に移ります。

これまでは「願望」がメインでしたが、ここからは「予算」を始めとした様々な「制限」も考慮に入れる必要があります。無理が生じたら、その都度 [4]: 目的、目標をはっきりさせる に立ち返る必要もあるでしょう。

面倒に感じられるかもしれませんが、実は非常に楽しい作業でもあるのです。必要なデータはある程度そろっていますし、パズルを解くような感覚に近いかもしれません。難しく考える必要はありません。


さて、先程もご紹介しましたが、当サイトでは PassMark さんが公開しているベンチマークテストのスコアをまとめてあります。

ここでご紹介しているスコアを基にいくつかの見方ができますので、お話ししたいと思います。


絶対性能

最も基本的な指標が「絶対性能」です。これは単純な「スコア」で見ます。

その名の通り、「純粋な処理能力」を表すもので、GPUにおいては最重要項目になります。

とはいえ、テストによってスコアは前後することもありますので、1つの結果をもって正解とするのは良くありません。

コストパフォーマンス

多くの人が「できるだけ安くて、できるだけ高性能」という「お得なGPU」を求めていると思います。いわゆる「コストパフォーマンス(CP、 費用対効果)」の高さですが、これも重要な指標といえるでしょう。

一般的にCPは、ミドルスペックのものが高く、高性能なものほど低くなるという傾向があります。

「効率」も「性能」も両立させたいところではありますが、ハイスペックなものは「燃費を捨ててパワーに振る」ことで能力を高めていますので、CPが悪化するのはどうしても避けられないのです。


このように「お得さ」ばかりに目が行きがちではありますが、忘れてはならないポイントがあります。

それは、「性能不足でやりたいことができないようであれば、意味がない」ということです。いくらミドルスペックのCPが高くとも、「4K : 60fps」を求めている人にとっては、何の意味もない指標になってしまいます。

CPは、最低限必要なラインを見極めた上で、追求するからこそ意味があるということを覚えて帰って下さい。

ワットパフォーマンス

「ワットパフォーマンス(Watt Performance、WP)」とは、「電力効率」を表す言葉です(英語では「Performance per Watt」の方が一般的)。

WPといえば「ランニングコスト」を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実はそれ以上に「発熱量」を知る上で重要な指標なのです。

CPUやGPUなどの半導体は、消費電力と発熱量がほぼ比例関係にあるため、同じ性能でも消費電力が少ないもの(高WP)は、発熱量もまた少ないのです。これは、特にノートPCや小型PCなどの熱がこもりやすいPCにおいて重宝します。


また、新GPUが出てしばらくは、ベンチマークスコアは比較的大きく変動するものですが、すぐに安定して変動幅も小さくなります。

CPもWPも、このスコアをそれぞれ「価格」と「消費電力」で割った値ですが、前者が時間とともにある程度変化するのに対して、後者は全く変わりません。よって、WPは一度安定すると、時間が経過しても変化が少ないのが特徴です。

それから、WPとは少しニュアンスがずれますが、GeForce GPUでは「x50」は「補助電源が不要」というコンセプトを代々受け継いでいます。

「補助電源が必要」とは、「GPUスロット」からの給電だけでは電力が不足するため、「電源ユニット」から直接供給を受けることをいうのですが、低消費電力なx50にはこれが不要ということです。

補助電源いらずのメリットは、「低消費電力、低発熱」なため、電源ユニットも「冷却装置」も「ケース」も小型化が可能になるということです。

もちろん、その分性能も低くなる訳ですが、用途によってはこのメリットを存分に生かせることもありますので、覚えて帰って下さい。



では、「GPUの絞り込み」のポイントをまとめます。

最も重要なのは「絶対性能」です。これが不足すると、何の意味もなくなるどころか「お金の無駄遣い」そのものになってしまうこともあり得るからです。 [4]: 目的、目標をはっきりさせる のステップが不可欠なのは、まさにこの「絶対性能の不足」を防止するためなのです。

問題がないようであれば、次は「予算」との兼ね合いを考えます。予算よりもかなり高額になるようであれば、「GPUの格下げ」を考えなければならなくなるでしょう。その場合は、 [4]: 目的、目標をはっきりさせる からやり直してみて、グラフィック品質の低下に満足できそうかイメージしてみることをおすすめします。

また、「アップデートによる要求スペックの上昇」や「どれくらいの期間使うことを想定しているか」なども考慮に入れておきたいところです。これも予算次第ではありますが、それなりに長い期間使用するつもりならば、余裕のあるGPUにしておいた方が、快適な動作はもちろんのこと、アップデートなどによる将来的な要求スペックの上昇にも耐えやすいからです。


これら「性能面」をクリア出来たら、「CP(コスパ)」や「WP(ワットパフォーマンス)」を考えます。少しだけ価格は上がっても、CPがそれ以上に上がるのであれば、そのGPUは「お得」ということができるでしょう。

また、特に「小型PC」や「ノートPC」の場合は、多少の性能低下に問題がなければ、格下でもWPの良いGPUに変えることは大きなメリットになるはずです。

この辺りは個人の考え方や用途次第ですので、正解というものはありません。

[6]: 性能を上げるなら、クロック周波数よりもコア数

さて、基本的な選び方は前項までで終わりですので、ここからは「ちょっとした選び方のポイント」について、お話ししたいと思います。


現在持っている、あるいは考えているGPUよりも高い性能のGPUに変えたい場合、「コア数を増やす(1つ格上のGPUに変える)」のと「クロック周波数を上げる(同じGPUのOC(オーバークロック)モデルにする)」のでは、どちらがより効果的なのでしょうか?

結論からいうと、「GPUのランクを上げてコア数を増やした方が良い」となります。

GPU全体の処理能力は、ざっくりいうと「コア数 x クロック周波数」ですから、片方を例えば「20%増し(1.2倍)」にする場合、計算上はどちらを上げても全体では同じ数値になります。

しかし、GPUのランクを上げた場合のコア数の増加は、少なくとも「20%以上」のものがほとんどであるのに対して、OCモデルによるクロック周波数の上昇は、「20%未満」のものが大半なのです。つまり、クロック周波数は上げづらいため、性能アップの効果は限定的であるということです。

ただし、格上のGPUがコア数では上回っていても、クロック周波数が低い場合もありますので、コア数の差が性能の差に必ず比例するという訳でもないことには、注意が必要です。


また、OCには特有の問題も存在します。それは「消費電力の増加」とそれに伴う「発熱量の増加」、「冷却装置の強化」などが避けられないことです。グラフィックボードメーカーは、安全性を考慮した作りに仕上げてはいますが、無理が掛かっている点に関してはどうしようもないのです。

さらに、GPUのランクを上げる場合は、「VRAM容量」やその他の装置のスペックも上がっているため、コアの能力の上昇を受け切ることができますが、OCモデルはベースは元のモデルのままであるため、どこかがボトルネック(制約)になる可能性を否定できません。


以下に、現在では1つ前の世代となった「GeForce GTX 10シリーズ」のスペック一覧を示します。

GPU名
(VRAM)
コア数コアクロックメモリ帯域TDP
(補助電源)
NVIDIA
TITAN Xp
(12GB)
3840?
/1582MHz
547.7GB/s250W
(8pin,6pin)
NVIDIA
TITAN X
(12GB)
35841417
/1531MHz
480GB/s
GTX 1080 Ti
(11GB)
1480
/1582MHz
484GB/s
GTX 1080
(8GB)
25601607
/1733MHz
320GB/s180W
(8pin)
GTX 1070 Ti
(8GB)
24321607
/1683MHz
256GB/s
GTX 1070
(8GB)
19201506
/1683MHz
150W
(8pin)
GTX 1060
(6GB)
12801506
/1708MHz
192GB/s120W
(6pin)
GTX 1060
(3GB)
1152
GTX 1050 Ti
(4GB)
7681290
/1392MHz
112GB/s75W
(-)
GTX 1050
(2GB)
6401354
/1455MHz

さて、きっちりと性能を上げたいならばGPUのランクを上げるべき、ということはお分かり頂けたかと思いますが、当然のことながら、「価格」もまた上がってしまいます。

特に、ハイスペックなものほど、能力の上り幅以上に価格上がってしまいますから、GPUのランクを上げるのは簡単ではありません。

よって、性能を目に見えるほど確実に上げたいならば「格上げ」を、価格的に無理がない範囲で性能アップを図りたいならば「OC版」を、という選び方が良いでしょう。

[7]: 必要なVRAM容量とは?

VRAM とは、「グラフィックボード(GPU)」専用のメモリのことです。

VRAMが不足すると、通常グラフィックデータは、メインメモリに スワップ されます。

少々のVRAM不足では、さほど影響がありませんから、気にするほどではありませんし、気づかないこともあるくらいです。

さらに不足すると、徐々に フレームレート に影響が出始め、場合によっては露骨なカクツキが生じることもあります。

あまりにも不足すると、ソフトが起動しないことさえありますが、そういった場合はおそらくGPU能力自体が全く足りていませんから、そもそもまともなプレイ自体が不可能でしょう。

メモリとは、「多くても大して意味がないが、少ないと顕著に動作を遅らせる」ものなのです。


動作に大きな影響をもたらすVRAMですから、最低限必要な容量というのが気になるかと思いますが、実はあまり気にする必要はありません。

なぜなら、基本的にグラフィックボードには、コア数を始めとした「処理能力」に見合ったVRAMが搭載されているからです。また、メインメモリのように自分で増設できるものでもありませんから、気にしても仕方がないのです。

よって、GPUは「処理能力」を中心に考えて選ぶべきです。


ただし、注意点が2点あります。

1つは、近年流行している「MOD」を入れる遊び方を考えている人は、VRAMにも気を配った方が良いという点です。この場合は処理能力も重要になることが多いですから、上位ランクのGPUに変えた方が無難です。

そして、もう1つは、「GeForce GTX 1060」が該当しますが、同じGPUでもVRAM容量が半減したタイプがあるという点です。

基本的には処理能力に見合ったVRAMが搭載されているといいましたが、半減タイプは「VRAM容量のバランスを崩してでも価格を下げたモデル」と考えた方が健全です。

よって、自分の用途に必要なVRAM容量を分かった上で、VRAM不足に陥らないと確信している、あるいは不足しても構わないという人以外は、半減タイプを選ぶべきではないと思います。