GeForce GPUの特徴とスペックの見方

最終更新日 : 2019/04/01

geforce

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一般的に「NVIDIA社」の「GeForce」のGPUは、「AMD社」の「Radeon」よりも「ゲーム向き」といわれています。GeForceは3Dグラフィックの処理能力を重視しているからです。

また、多くのPCゲームがRadeonよりもGeForce向けに開発を行っています。NVIDIAのシェアの高さと、ゲーム製作者への協力体制などが理由でしょう。

よって、ゲーム目的であれば、GeForceに分があるといえるのですが、実際は世代により善し悪しがあるので、一概にはいえないところがあります。

ここでは、そんなGeForceブランドのGPUについて、お話ししようと思います。

スペックの見方

まずは、GeForceのGPUのスペックの見方について、お話しします。

「GeForce RTX 20シリーズ」のハイエンドGPU、「GeForce RTX 2080 Ti」のスペックの一部を、以下に挙げます。

GPU名GeForce RTX 2080 Ti
開発コードネームTU102
コア
CUDAコア数4352
RTコア数68
Tensorコア数544
ベースクロック1350MHz
ターボクロック1545MHz
メモリ
VRAM11GB
タイプGDDR6
速度14Gbps
バス幅352bit
帯域616GB/s
その他
TDP250W (8pin x 2)
DirectX12
SLI2-way


データの基本的な見方については、 GPU徹底解説 でお話ししていますので、参照してみて下さい。

GPU名

「GPU名」は、ある規則に従って付けられています。名前を構成する文字列、数字の意味について、お話しします。

GeForce

「GeForce(ジーフォース)」は、「NVIDIA(エヌヴィディア)」社の「PC向け/個人向け」のGPUのブランド名です。通称として「ゲフォ」と呼ばれたりもします。

社名もブランド名もあまりなじみがない発音ですから、読みにくいかもしれませんが、しっかりと覚えて帰って頂きたいと思います。


また、NVIDIAには他にも「Quadro(クアドロ)」という「プロ向け/企業向け」のGPUブランドがありますが、ゲーム用途には不向きですので、注意が必要です。

RTX

「RTX」は、前世代までは「GTX」と呼ばれていましたが、これはその世代における「クラス」を表す文字列でした。

上位クラスには「GTX」が付いて、下位クラスには「GT」が付くか、または「無印(何も付かない)」となります。

しかし、近年は、GTや無印などの下位クラスはほとんど販売されていません。おそらくは、 CPU内蔵GPU の性能が向上したため、ロースペックグラフィックボードの需要がなくなりつつあるからかと思います。


さて、GTXからRTXへ名称が変わったのは、「Ray Tracing(レイトレーシング)」と呼ばれる技術にハードウェア的に対応したことが理由です。つまり、「R」は「Ray」の頭文字ということです。

レイトレについては、 RTコア を参考にしてみて下さい。

数字

GPU名が持つ「数字」には、2つの意味が含まれています。

1つは、「シリーズ」や「世代」といった意味です。以下に、ここ数世代で使われた「数字」と「シリーズ名」を示します。

数字シリーズ名
900番台GeForce GTX 900シリーズ
1000番台GeForce GTX 10シリーズ
1600番台GeForce GTX 16シリーズ
2000番台GeForce RTX 20シリーズ

ご覧の通り、「GTX 900シリーズ」と「GTX 10シリーズ」の間で変化が起こっています。「1000番台」は「1000シリーズ」ではなく「10シリーズ」になったからです。

そして、次は「1100番台」の「GTX 11シリーズ」かと予想されていましたが、上記のように「2000番台」の「RTX 20シリーズ」となりました。

さらに、2000番台と同じ世代で「1600番台」の数字を持つ「GTX 16シリーズ」も登場しましたので、ややこしいことになってしまいました。表中ではRTX 20シリーズよりも上にありますが、発売時期はRTX 20シリーズよりも後ですので、注意が必要です。


続いて、2つ目の意味は、そのシリーズにおける「相対的な性能」です。「シリーズ」で取り除いた「下2桁」の部分で表しますが、数字でおおよそのクラス分けをすると、以下のようになります。

文字列数字スペック
RTX, GTXx70以上ハイクラス
x60、x50ミドルクラス
GT, 無印x40以下ロークラス

「x60(下2桁が"60")」と「x50」は共に「ミドルクラス」ですが、世代によっては小さくはない性能差が付くことがあります。よって、x60は同じミドルクラスでも、やや上のレンジとなる「アッパーミドルクラス」に分類されることも少なくありません。

また、当サイトでは、x60モデルの出始めは全体から見ても高い性能を示すことが多いため、「ハイクラス」に分類していますので、覚えて帰って下さい。

そして、クラスを表す文字列に関してですが、これまでの命名規則では「x50以上」の数字が付く製品にはGTXが付いていました。

しかし、前述の通り、近年はロークラスGPUが減っていますので、GTX 10シリーズでは「GeForce GT 1030」だけがGTXの付かないモデルとなっています(1040は存在しません)。

ただ、GT1030はiGPUレベルの性能しかありませんので、軽いゲームなどであっても、少しでも処理能力が欲しい場合は、ミドルクラス以上のGPUを選んでおくことをおすすめしたいと思います。

x60辺りはやや高めですから、x50クラスが「エントリークラス」として良いでしょう。


また、数字の後ろに「Ti」の「サフィックス(接尾辞)」が付くものがあります(RTX2080Ti、GTX1080Ti、GTX1070Tiなど)。

これは「Titanium(チタニウム)」の略で、同じ番号のモデルと1つ上のクラスのモデルとの間に収まるようにスペックアップしたものとなっています。強化版といった解釈で良いでしょう。 こちらも覚えて帰って頂ければと思います。

ノート向けGPU

ここまでは全てデスクトップ向けGPUに関するものでしたが、最後にノート向けGPUについてお話ししておきます。

「GeForce GTX 900シリーズ」までのノート向けGPUには、末尾に「M」が付いていました。「GeForce GTX 980M」というようにです。

ノート向けですので、性能はデスク向けには劣るのですが、上位クラスのノート向けGPUは、重いゲームでもそれなりに楽しめるだけの性能を持っていました。


しかし、その次の世代の「GeForce GTX 10シリーズ」からは、末尾のMが消えました。

これは、それまでノート向けGPUの性能は、同じ数字のデスクトップ向けGPUの性能の半分ほどがせいぜいであったのに対して、GTX 10シリーズのノート向けGPUは、ほぼ同等にまで達するようになったからなのです。

つまり、区別する必要がなくなったというアピールでもある訳です(実際はスペックにわずかな違いがあります)。いずれにせよ、凄まじい進化でした。

ちなみに、当サイトではGTX 10シリーズのノート向けGPUを「GTX 1080ノート」というように、後ろに「ノート」を付けて呼ぶようにしています。また、シリーズ全体は「GTX 10シリーズノートブック」と呼んでいますので、覚えて帰って下さい。

コア

NVIDIAのGPUコアは「CUDA(クーダ)コア」と呼ばれます。

GPUとCPUでは仕組みが異なるため、CPUが処理するプログラムをGPUは扱うことができません。

しかし、高性能なGPUの処理能力を何とか活用したいということから、GPUをCPUのように使う技術が開発されました。これを「GPGPU(General-Purpose computing on Graphics Processing Units)」といいます。

CUDAとは、NVIDIAが開発したGPGPUの環境のことで、NVIDIAのGPUコアは全てこれに対応しているため、コアのことをCUDAコアと呼ぶようになったのです。

難しいので、これ以上はお話ししませんが、言葉自体は覚えて帰って頂ければと思います。

クロック周波数

「コアクロック」には、通常時の「ベース(定格)クロック」と負荷が掛かった時に自動で引き上げられた時の「ブーストクロック」の2種類があります。

ただし、NVIDIAのブーストクロックとは、このクロックの引き上げが起きた際に「平均的に到達するクロック」を表す点には注意が必要です。「クロックの上限」ではないということです。

VRAM

メインメモリ用の「DDR4 SDRAM」やグラフィックボード用の「GDDR6 SDRAM(SGRAM)」などは代表的なメモリの規格ですが、各規格には複数のスペックが存在します。そして、後発のものほど高性能化するのが通常です。

速度に関していうならば、GDDR6の前世代である「GDDR5」の場合は「8Gbps(bit/sec)」辺りが上限となりましたが、GDDR6ではその倍の「16~18Gbps」辺りまで到達できそうです。

また、GDDR5の改良版である「GDDR5X」は「11~12Gbps」ほどまで実現しました。

ただし、「GeForce RTX 2080 Ti」に搭載されているGDDR6メモリは、まだ初期型ですので、「14Gbps」というやや控えめな数字になっています。

これが「バス幅 352bit」で動作しますから、「メモリ帯域(データ転送速度)」は

14 x 352 [Gbit/sec]
= 4,928 [Gbit/sec]
= 616 [GByte/sec]
(1Byte = 8bit)

となる訳です。


さて、VRAMの「速度」についてお話ししてきましたが、メモリは「容量」の方が重要です。厳密にいうと、「多すぎても無意味だが、足りないと露骨に動作を遅くする」のがメモリですから、容量不足だけはどうしても防ぎたいのです。

ただ、基本的には、コア性能に見合った容量と帯域(転送速度)が確保されていますし、そもそもVRAMは増やすことはできませんので、気にしても仕方がないのですが、たまに「容量半減モデル」があったりしますので、注意が必要です。

GTX 10シリーズでは、「GeForce GTX 1060」に「6GBタイプ」や「3GBタイプ」、「5GBタイプ」など複数のモデルが存在します。

消費電力

「GeForce RTX 2080 Ti」の消費電力は「250W」で、補助電源は「8pin x 2」となっています。

PCI-Expressスロット(グラボの取付け口)からは「75W」、6pin補助電源からは「75W」、8pin補助電源からは「150W」の電力供給が可能ですので、「8pin x 2」の場合の電力供給能力は、「最大375W(75W + 150W x 2)」ということになります。

これならば「8pin + 6pin」の「300W(75W + 150W + 75W)」でも良さそうですが、余力を見たり、またクロックを引き上げた「OC(オーバークロック)モデル」など消費電力が上がったモデルなどもありますので、同じGPUでも必要な補助電源の数や種類は異なることがあります。


それから、もし補助電源プラグがない電源ユニットを使っているならば、余っている別の種類のプラグを6pinや8pinのプラグに変換できるケーブルも販売されていますので、調べてみると良いでしょう。

SLI

「SLI(Scalable Link Interface)」とは、複数のグラフィックボードを協調させて、1枚のグラフィックボードとして扱う、NVIDIA社の技術のことです。

AMDも同様の技術を持っており、こちらは「CrossFire(クロスファイア)」と呼ばれています。


ただし、SLIを構成するには、いくつかの条件を満たさなければなりません。

  • マザーボードやグラフィックボードがSLIに対応している
  • 組み合わせるグラフィックボードのGPUが全て同じ
  • グラフィックボード同士を繋ぐ「ブリッジケーブル」が必要

条件はこれだけではありませんが、ハード面の問題をクリアしたとしても、ソフトが対応していなければ、全く性能が発揮されないこともあるなど、SLI/CFはなかなかに「クセがすごい」技術です。

しかし、しっかりと条件を満たしていれば、枚数倍の性能とまではいきませんが、それに近い性能が引き出せることもあるようです。

最初からSLI構成のPCが売られていたりもしますので、最高スペックを目指したい人は、調べてみるのも良いかもしれません。


さて、「GeForce RTX 20シリーズ」からは、SLIを実現するのに「NVLink」という技術が使われるようになりました。2台のGPUを専用のブリッジで繋ぐのです。

これを受けて、SLIを「NVLink SLI」、グラボ同士を繋ぐブリッジを「NVLink SLIブリッジ」と呼んだりするようですが、定まった呼び方はないようですから、「NVLink」というキーワードだけでも覚えて帰って頂ければと思います。


最後に、もう1つ重要なポイントをお話ししておきます。

かつては「グラボ4枚(4-way)」を連動させることもできたSLIですが、現在は事実上「2枚(2-way)」が限度で、なおかつ「RTX 2080以上」のハイスペックGPUのみの対応という制限が掛けられているのです。

しかし、一見改悪のように思えるかもしれませんが、そもそも低性能GPUをSLI動作させても、高性能GPUのシングル動作に及ばないことも多いですから、さほど問題のある制限でもないでしょう。

アーキテクチャ一覧

さて、ここからはNVIDIAのGPUアーキテクチャについて、お話しします。概要は、 アーキテクチャ でお話ししていますので、参照してみて下さい。

以下に、近年のアーキテクチャを記載します。

アーキテクチャ
(読み方)
プロセス
ルール
採用シリーズ
Kepler
(ケプラー)
28nmGeForce GTX/GT 600シリーズ
GeForce GTX/GT 700シリーズ
GeForce GTX TITANシリーズ
Maxwell
(マクスウェル)
28nmGeForce GTX 700シリーズ
GeForce GTX 900シリーズ
Pascal
(パスカル)
16nm
/14nm
GeForce GTX 10シリーズ
Turing
(チューリング)
12nmGeForce RTX 20シリーズ
GeForce GTX 16シリーズ

現在は「GeForce RTX 20シリーズ」が採用している「Turingアーキテクチャ」の時代です。また、 プロセスルール についても理解しておいて頂ければと思います。


「Keplerアーキテクチャ」は、「GeForce 600シリーズ/700シリーズ」と「2世代」に渡って使用されました。「GeForce GTX TITANシリーズ」を合わせれば「3世代」となりますが、GTX TITANシリーズはGTX700シリーズの「ハイエンドシリーズ」的な位置付けですので、あえて2世代としています。

また、次の「Maxwellアーキテクチャ」も「GeForce GTX 700シリーズ」と「GeForce GTX 900シリーズ」で使用されましたが、実はMaxwellコアは「第1世代」と「第2世代」の2種類があって、「第1世代Maxwell」はGTX700シリーズの一部に、「第2世代Maxwell」はGTX900シリーズに使われていますので、同じアーキテクチャとはいいきれない部分があるのです。

次の「Pascalアーキテクチャ」は「1アーキテクチャ1シリーズ」と分かりやすくなりましたが、その次の「Turingアーキテクチャ」は「GeForce RTX 20シリーズ」と「GeForce GTX 16シリーズ」に再び分かれてしまったため、また少しややこしくなってしまいました。

開発コードネーム一覧

基本的なことは、 開発コードネーム でお話ししていますので、分からないことなどは、そちらを参照してみて下さい。


以下に、「Turingアーキテクチャ」世代のGPUの「開発コードネーム」と「GPU名」を挙げます。

アーキテクチャ開発コードネームGPU名
TuringTU102-400NVIDIA TITAN RTX
TU102-300GeForce RTX 2080 Ti
TU104-400GeForce RTX 2080
TU106-400GeForce RTX 2070
TU106-200GeForce RTX 2060

「GeForce GTX 10シリーズ」までの開発コードネームは、頭に「G("Game"か"Graphics"か"GeForce"の頭文字?)」、その次に「アーキテクチャ名の頭文字」が付いて、その後に「3桁の数字」が続くという形でした。

例えば、「Pascalアーキテクチャ」であれば「GPxxx」という表記になっていたのです。

しかし、Turing世代からは、どうやら「G」が外れて、「アーキテクチャ名から2文字」を取る形式に変わったようです。


次に、「3桁の数字」の意味についてですが、これも「最上位桁の数字」が「世代」を表しています。先程「Maxwellアーキテクチャ」は2世代存在するとお話ししましたが、実際Maxwellコアには「GM1xx」と「GM2xx」の2系統があるのです。

つまり、「TU1xx」は「Turingアーキテクチャ」の「第1世代」という意味になる訳です。

さらに、「下2桁の数字」で「スペックの違い」を表していますが、伝統的に「数字の小さい」ものほど高性能になっています。


さて、これで「アルファベット2文字 + 数字3文字」の意味がお分かり頂けたかと思いますが、基本的にこの5文字が同じGPUは、全て同じチップを使っている「双子、三つ子」の関係にあることを覚えて帰って下さい。

実は、CPUやGPUなどは、同じ半導体チップを使いながら、品質チェックの結果、求める水準を超えられなかったものは、特定の機能を削ることでスペックを落とされて、異なるCPU/GPUとして販売されているのです。

この時、手が加えられず、スペックを落とされなかったチップを「フルスペック版」と呼んだりします。

表では、「NVIDIA TITAN RTX」と「RTX 2080 Ti」が同じ「TU102コア」を、「RTX 2070」と「RTX 2060」が同じ「TU106コア」を使っていますが、それぞれ前者が「フルスペック」で、後者が「スペック制限版」となる訳です。

ハイフン(-)以下の数字、文字列がその違いを表していますが、どうやら「400」が付くものがフルスペックで「それ以下」が制限版になるようですが、詳細は分かりません。

また、これらの文字列以降にアルファベットや数字がさらに続くこともあります。