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CPUの選び方

最終更新日 : 2020/06/02

select-cpu

CPUは、PC全体の挙動に影響を与える重要パーツですから、選ぶ際には慎重にならなければなりません。

とはいえ、見るべきポイントはある程度決まっていますので、恐れることもないのです。

ここでは、「ゲーミングPC向け」を中心とした「CPUの選び方」と「おすすめCPU」についてお話ししていますが、一般用途においても基本的な部分は同じですから、参考にして頂ければと思います。



CPUの選び方

それでは、これから「CPUの選び方」について、お話ししていきますが、分かりやすいように必要となる予備知識をその都度入れていく構成となっていますので、順を追って読んで頂ければと思います。

また、CPUの基礎知識については、CPUのスペックの見方と用語解説でお話ししていますので、適宜参照して下さい。

[1]: Intelか、AMDか

現在の「PC向けCPU」の開発会社といえば、Intel(インテル)AMD(エイエムディー)の「二者択一」です。

そこで、まずは「IntelとAMD、どちらが良いのか」からお話しします。


さて、「2強」とはいうものの、実は少し前までは「シェア」でも「性能」でもIntelが圧倒的でした。

しかし、AMDが満を持して投じた新ブランド「Ryzen(ライゼン)」の出来が素晴らしく良かったため、AMDは息を吹き返したのです。

ただ、それでもまだIntelには勝てませんでした。

CPUにおいて、プログラムを処理する部分を「コア」といいますが、AMD CPUはコアをたくさん使うプログラムには強かったのですが、「1コア当たりの性能」が弱かったため、ゲームを含めた「多コアが有利にならない多くのソフト」では、どうしてもIntelに及ばなかったのです。

よって、一般ユーザーの中でも性能を必要とする人には「おすすめしづらい」というのが、AMD CPUの評価でした。


それが、「Ryzen 3000シリーズ」の登場で一気に変わりました。「1コア当たりの性能」が凄まじく伸びたのです。その結果、最新世代同士の比較では、Intel(第9世代Core)とAMD(第3世代Ryzen)はほぼ同等か、あるいはコスパを含めるとAMDに分があるほどに状況が変化しました。

ただし、ゲームにおいては、Intelの上位CPUに及んでいないこともありますので、高性能CPUの主な用途がゲームであることを考えると、まだ「AMDの勝利」とはいえない部分もあります。

とはいえ、致命的な差でもありませんから、特にコスパメインで考えている人などは、AMDが「第一候補」といえるでしょう。

[2]: これまでは4コア、これからは6コア

CPU性能に大きな影響を与える「コアの数」についてのお話しです。

ゲーミングPC用のCPUは「4コア」というのが、これまでの定説でした。一体何故なのでしょうか?

その答えは「これまでのハイスペックCPUのコア数が4つだったから」です。つまり、あまり普及していない「6コア以上のCPU」を基本に据えても、ユーザーを選ぶだけになってしまうため、作り手の得にはならなかったということです。

しかし、長らく続いた「4コア時代」も終わり、ようやくコア数を増やす方向に向かって、現在では最新の「ミドルクラスCPU」でも「6コア」が基本になっています。

普及帯であるミドルクラスCPUが6コアになったということは、これからのソフトは6コアを基本にして作られることが予想されるということです。


また、CPUにはSMTという機能を備えたブランドも存在します(Intelでは、これを「HTT」と呼んでいます)。

SMTは、CPUの余っている装置を有効に活用して処理能力を高める機能で、場合によってはコアの性能を倍近くまで高めることもありますが、一般的には「20~30%」程度の能力上昇といわれています。

仮に、SMTの性能アップを「25%」とした場合の「コア/スレッド数ごとの平均的な能力」は以下の表のようになります。ただし、ハイエンド向けの特殊なCPUとロースペックCPUを除いた、実際に存在するコア/スレッド数に限定しています。

コア / スレッド数平均的な能力
16 / 3220
12 / 2415
10 / 2012.5
8 / 1610
8 / 88
6 / 127.5
6 / 66
4 / 85
4 / 44

SMTを持つタイプは「スレッド数」が2倍になっていますが、例えば「6コア12スレッド(6C/12T)」であれば、「SMTが全く効かなければ6コア、最大限効けば12コア、平均すると7.5コア相当の性能」というような意味になります。

ただし、コア数もスレッド数も、増やせばそれだけ性能が上がるという訳ではありません。確かに、ある程度はOSが処理を上手く振り分けてくれますし、PCではたくさんのソフトが動いていますから、コアが多いということがメリットになることもあるでしょう。

しかし、ソフトウェアがコアを有効に使うようにプログラミングされていなければ、いくらコアがたくさんあったとしても、その性能を発揮しきるのは難しいのです。コアが10個あっても、ソフトが2、3個しか有効に使えないようであれば、残りのコアは遊んでしまうからです。

それだけではありません。実はコアが多いことが、何と「性能低下」に繋がることさえあるのです。この点については、[4]: ハイエンドCPUは不要でお話しします。

[3]: クロック周波数はできるだけ高く

「コア数」と並んでCPU性能に多大な影響を与えるのが、「クロック周波数」です。

コア数はプログラム次第で効率が変わってくるため、「多ければ多いほど良い」という単純なものではないことはお分かり頂けたかと思います。

それに対して「クロック周波数」は、「コアの処理スピード」を表すものですから、この数値が高ければ高いほど高性能というのは確実です。同じコアならば、基本的に「1コア当たりの性能」はクロック周波数に比例します。

ただし、「CPUの設計(アーキテクチャ)」が異なる場合は、「クロック当たりの性能」が変わってくるため、全てのCPUがクロック周波数だけで比較ができる訳ではありません。


さて、クロック周波数に関しては、重要なポイントがあります。それは、ターボについてです。

ターボとは、負荷が掛かった時に動作クロックを自動でアップする機能のことで、これをIntelでは「ターボブースト」、AMDでは「ターボコア」と呼んでいます。ゲームを含め、ソフトの実行時に目安とするのは、この「最大クロック」になります。

IntelもAMDも「ミドルクラス以上のブランド」のCPUにターボ機能は付いていますので、ターボの有無に関しては特に気にする必要はないのですが、格上のブランドほど最大クロックが高かったり、同じブランド内でもCPUによってクロック差が小さくなかったりすることもありますので、そういった点はしっかりとチェックする必要があるでしょう。


重要なポイントはもう1点あります。それは、クロック周波数の上限を引き上げる「オーバークロック(OC)」と呼ばれる技術についてです。

ターボ機能は、負荷に応じてシステムが自動でクロックを上げ下げする技術ですが、OCはユーザーが自分で設定を変えることで、最高クロックを半ば無理やり引き上げるような仕組みです。

クロックを上げると電力が不足することもありますので、その場合は安定動作のために電圧を上げなければなりません。しかし、その結果CPUが壊れてしまうこともあり得ますので、OCは危険な行為といえます。

また、故障までいかずとも、消費電力(発熱)が増したり、その熱により他のパーツに悪影響を及ぼすこともあるなど、デメリットも小さくはありません。

そんなOCですから、誰もがやるべきことではなく、それどころかむしろやらなくて済むならばやらない方が良いくらいなのですが、「それなりの性能を持つゲーミングPC」にはOC可能なCPUを「おすすめ」します。

その理由は、CPUがボトルネック(制約)になって生じる「カクツキ」を回避できる可能性があるからです。

これは「ミドルクラスGPU」を使う場合にはあまり意味がありません。ミドルクラスゲーミングPCでは、カクツキなどの制限はあって当たり前だからです。

よって、対象となるのは「ハイエンド級」や「ハイクラス」のゲーミングPCということになりますが、これらを使うことの意義は「最高の環境」にあるはずです。露骨なフレームレートの低下はいうまでもないですが、カクツキに気づくということは、いわゆる「没入感」を削がれてしまうことを意味しますので、これではせっかくのハイスペックが台無しです。

また、FPSゲームなどはコンマ数秒の戦いですから、カクツキは致命的です。テクニックで負けるならば仕方がないですが、環境により負けるのは何ともいえない気持ちになるものです。

そこで、奥の手としてCPUのOCを行うことで、本来であればさらに性能の高いCPUに買い換えなければならないところを、延命させることができるということです。

OCがもたらしてくれる効果自体は限定的かもしれませんが、OCを通じてPCの知識が深まったり、PCいじりの楽しさに気づくこともありますので、そういった面からも「おすすめ」したいと思います。


さて、OCの条件についてですが、ここでは簡単に触れるだけにします。

まず、AMDのOCは「チップセット」が「X系列」か「B系列」であることですが、要は「A320以外」ならば良いだけで、「CPU」側に条件はありません。

Intelの場合は「チップセット」が「X系列」か「Z系列」で、「CPU」はプロセッサナンバーの末尾に「X」か「K」が付くことが条件になります。ただし、「X系列チップセット」と「末尾XのCPU」は、ハイエンド向けのものですので、詳しくは次項でお話ししますが、候補から外しても良いと思います。

また、チップセットはAMDとIntelでそれぞれ全くの別物ですので、しっかりと確認する必要があります。

[4]: ハイエンドCPUは不要

同じ世代のCPUの中でも「ハイエンドPC向け」に用意される特別なCPUが存在します。「Intel」は「Core Xシリーズ」が、「AMD」は「Ryzen Threadripperブランド」が該当しますが、これらと「非ハイエンドCPU」とは性能以外の部分でも大きな違いがありますので、まずはそれらについてお話しします。


ハイエンドCPUと非ハイエンドCPUとの違いにおいて、まず目立つのは「コア数」です。

非ハイエンドCPUが「10~16コア」程度までなのに対して、ハイエンドCPUは多いもので「64コア」にもなるのです(Ryzen Threadripper 3990X)。多数のコアを有効に使えるソフトであれば、ハイエンドCPUの恩恵は絶大なものになる訳です。


ただ、それ故にTDPも高くなっています。現行の非ハイエンドCPUで最高スペックを誇るものが「95~125W」程度であるにも関わらず、前述のRyzen Threadripper 3990XのTDPは何と「280W」です!

その他のハイエンドCPUも軒並み「100W」を超えていますので、高い冷却性能を持つ「CPUクーラー」が必須となります。

また、一時的なデータの置き場である「キャッシュメモリ」も多く搭載されているなど、CPUの基本的な性能は非ハイエンドでは到底及びません。


性能以外の面では、IntelもAMDも「チップセット」や「ソケット」が、ハイエンドと非ハイエンドとではそれぞれ異なりますので、同じ世代のCPUであっても互換性がない点に注意が必要です。つまり、非ハイエンドPCでハイエンドCPUを使うには、「マザーボード(チップセット)」の交換が必要になるということです。

おまけに、ハイエンドPCは、非常に高価でもあります。


さて、ハイエンドCPUのずば抜けたパワーについては、何となくにでも理解して頂けたかと思いますし、「ロマン」を感じて欲しくなった人もいるかもしれませんが、これまでに何度かお話ししてきた通り、「ゲーミングPCにハイエンドCPUは不要」です。

その理由は、「クロック周波数」にあります。実は、ハイエンドCPUのクロック周波数は「低く設定されている」のです。

クロック周波数は、コアの設計(アーキテクチャ)により、電力効率の良いクロックというものがおおよそ決まりますが、[3]: クロック周波数はできるだけ高くでもお話しした通り、効率の良い範囲を超えてクロックを無理やり引き上げると、消費電力が跳ね上がってしまうのです。

これは「走る」ことを考えてみると、分かりやすいかと思います。ジョギングであれば長い距離を走れますが、スピードを上げてスプリントに近くなるに連れて、エネルギーの消耗は激しくなるはずです。

ただ、これだけならばどのCPUにも同じ条件ですので、ハイエンドCPUが特に不利になる訳ではないはずです。問題はハイエンドCPUの「コア数が多い」点にあるのです。

つまり、ハイエンドCPUがTDPを高めに設定されていたとしても、コア数の多さ故に、1コア当たりに割り当てられる電力や冷却能力はどうしても少なくなってしまいます。すると、当然クロック周波数を上げることも難しくなる訳です。

効率の良いクロックであれば、多くのコアを動かせるかもしれませんが、負荷が掛かってクロックが上がった時、多コアCPUの消費電力と発熱は凄まじいものとなってしまうのです。

さらに、[2]: これまでは4コア、これからは6コアでお話しした通り、多コアCPUを上手く使い切るソフトウェア自体があまりありませんから、必要以上のコアは性能に蓋をしているのと変わらない訳です。

よって、ゲーミングPCには「多コア/低クロック」よりも「6~8コア/高クロック」の方が断然有利ですから、「ゲーミングPCにハイエンドCPUは不要」ということになるのです。

[5]: CPU性能の差は高フレームレート時に出る

主に「ゲーミング用途」でのお話しになりますが、CPU性能の差はフレームレートが高い場合に出やすいという特徴があります。

一般的なゲームプログラムでは、「キャラクターの意思決定」や「キャラクターや物の移動・行動」など「ゲーム内の状況を動かすパート」と「その状況を映像化するパート」に分かれますが、前者の処理を「CPU」が、後者の処理を「GPU」が担当します。

こうしてできた画像が「フレーム」で、CPUの処理時間とGPUの処理時間の和が「1フレームを作るのに掛かる時間」となり、そして「この一連の処理を1秒間に何回行えるか」が「fps(秒間フレームレート)」と呼ばれる指標になります。また、処理に掛かる時間は、通常GPU側の方が長くなります。


では、「解像度が上がってグラフィック負荷が高くなる」とfpsや処理時間はどうなるのでしょうか?

この場合は、GPUがフレームを作るのに掛かる時間が増加しますから、fpsは落ちてしまいます。ただ、CPU側の処理はグラフィックレベルの影響をあまり受けませんので、1フレーム当たりに掛かる時間はそれほど変わりません。

では、逆に「解像度が下がってグラフィック負荷が軽くなる」とどうでしょうか?

この場合は、GPUがフレームを作るのに掛かる時間は短縮されますので、fpsは上がることになります。ただ、その分処理回数が増えますから、GPUの全体の処理時間はそこまで落ちることはありません。

一方、CPUの方はグラフィックレベルが下がってもフレーム当たりの処理時間はあまり変わりませんから、フレーム数が上がった分だけ全体の処理時間が増えることになるのです。


CPU
処理時間
GPU
処理時間
1フレーム
当たりの時間
fps
XYX+Y60
X2YX+2Y45
XY/2X+Y/290

上記の表は「CPUの処理時間」を「X」、「GPUの処理時間」を「Y」とした場合の関係性を表しています。かなり大雑把な数字ですので、細かい部分は気にしないで下さい。

1番上のデータを基準として、2番目が「GPUの負荷が上がった場合」、3番目が「GPUの負荷が下がった場合」を表しています。

CPUの「1秒当たりの処理時間」は「X」x「fps」で求められますので、それぞれのCPUの処理時間は上から順に「60X」、「45X」、「90X」となります。これは「仕事量」といい換えることもできるでしょう。

ここでは最大で「2倍」の差が付いていますが、現実では「4K解像度」では「60fps未満」、「フルHD(1920 x 1080)解像度」では「200fps」というような状況も良くありますから、こうなると「3倍以上」もCPUの仕事量に差が付くことになる訳です。実際、「4K解像度」のゲームで「ハイクラスCPU」と「ミドルクラスCPU」とでフレームレートに大きな差がないというデータも多く上がっています。

もちろん、4Kゲームを処理するにはハイクラスGPUが必要ですから、これにミドルクラスCPUを合わせるのはバランスが悪くもったいないと思いますので、ハイクラスCPUを選ぶことを「おすすめ」しますが、FPS(ジャンル)など「高フレームレートが有利」になるゲームをプレイするならば、CPUの性能も重要になるということを覚えて帰って下さい。

[6]: CPUの格付け

ここでは、これまでお話ししてきたことを基に、CPUを「ハイエンド」、「ハイ」、「ミドル」、「ロー」の各スペックに分類したいと思います。

また、当サイトではPassMarkさんが公表しているベンチマークテストの結果をまとめていますが(CPU比較&ランキング)、性能についてはこのデータを基にすることとします。

一般的なCPUのスペックの分類法

まずは、IntelとAMDの「CPUブランド」を性能順に示します。ただし、両社とも「下位ブランド」は除いています。

また、対象となるCPUはどちらも最新世代で、Intelは「第10世代Coreシリーズ」、AMDは「Ryzen 3000シリーズ」の「デスクトップ向けCPU」のみとしています。

Intel
(第9世代)
コア数 (スレッド数)AMD
(第3世代)
Core Xシリーズ10(20)
-18(36)
24(48)
-64(128)
Ryzen
Threadripper
Core i910(20)12(24), 16(32)Ryzen 9
Core i78(16)8(16)Ryzen 7
Core i56(12)6(6), 6(12)Ryzen 5
Core i34(8)4(8)Ryzen 3

両社のブランドの詳細については、Intel CPUの種類(ブランド)の解説と一覧AMD CPUの種類(ブランド)の解説と一覧でお話ししていますので、参考にして下さい。


基本的には、表の横並びのもの同士が「対抗ブランド」となります。

Intelは「Core Xシリーズ」が、AMDは「Ryzen Threadripper」が「ハイエンドブランド」ということになりますが、「ソケット」や「チップセット」がそれぞれの下位ブランドとは異なりますので、どちらも「別系統」と考えた方が良いでしょう。

一般的な分類としては、「Core i9 / Ryzen 9」や「Core i7 / Ryzen 7」が「ハイスペック」、「Core i5 / Ryzen 5」や「Core i3 / Ryzen 3」が「ミドルスペック」、それ以下のブランドが「ロースペック」ということになるかと思います。

AMDがIntelの命名規則に合わせる形を取ったため、非常に分かりやすい構図になっています。

当サイトにおけるCPUのスペックの分類法

さて、一般的な分類法はお分かり頂けたかと思いますが、当サイトではこれにいくらかの独断と偏見を加えた分類法で「格付け」を行いたいと思います。

まずは、「PassMark」の「総合性能」と「シングルスレッド性能」のテスト結果(2020/05/25)をスコア順に並べた表をご覧下さい(最新の結果はCPU比較&ランキングでどうぞ)。

対象となるCPUは先程と同じ「Intel 第10世代Coreシリーズ」と「AMD Ryzen 3000シリーズ」ですが、前者は登場して間もないため、まだ数が出そろっていませんので、1つ古い「第9世代Coreシリーズ」も加えたいと思います。また、Intelは種類が多いため「各ブランドのK付きと無印の最高スペックモデル」に絞ります。


総合性能
CPU/APUC/TCLKTDPスコア
Ryzen 9 3950X16/323.5/4.7105W  39389 (48.6%)
Ryzen 9 3900X12/243.8/4.6105W  32806 (40.5%)
Core i9-10900K10/203.7/5.3125W  23586 (29.1%)
Ryzen 7 3800X8/163.9/4.5105W  23321 (28.8%)
Ryzen 7 3700X8/163.6/4.465W  22685 (28.0%)
Core i9-9900KS8/164.0/5.0127W  19093 (23.6%)
Core i9-9900K8/163.6/5.095W  18927 (23.4%)
Core i7-10700K8/163.8/5.1125W  18742 (23.1%)
Ryzen 5 3600X6/123.8/4.495W  18342 (22.7%)
Ryzen 5 36006/123.6/4.265W  17785 (22.0%)
Core i9-99008/163.1/5.065W  17334 (21.4%)
Core i5-10600K6/124.1/4.8125W  15393 (19.0%)
Core i7-9700K8/83.6/4.995W  14695 (18.1%)
Core i7-97008/83.0/4.765W  13828 (17.1%)
Ryzen 5 3500X6/63.6/4.165W  13432 (16.6%)
Core i5-104006/122.9/4.365W  13070 (19.0%)
Ryzen 3 3300X4/83.8/4.365W  13014 (16.6%)
Ryzen 5 35006/63.6/4.165W  12667 (15.6%)
Ryzen 3 31004/83.6/3.965W  12273 (15.2%)
Core i5-96006/63.1/4.665W  10919 (13.5%)
Core i5-9600K6/63.7/4.695W  10880 (13.4%)
Core i3-9350KF4/44.0/4.691W  8001 (9.9%)
Core i3-93204/43.7/4.462W  7541 (9.3%)

まずは、「総合性能」についてです。

少し大きめな差が付いたところに区切りを入れていますが、やはり「コア数」、「スレッド数」の影響が強いようです。

そんな中、「AMD Ryzen」はコア数で1つ格上の「Intel Core」と同等のスコアを出していますので、総合能力では完全に上回っているといって良いでしょう。

Ryzen恐るべし、です。



シングルスレッド性能
CPU/APUC/TCLKTDPスコア
Core i9-10900K10/203.7/5.3125W  3187 (100.0%)
Core i5-10600K6/124.1/4.8125W  3019 (95.1%)
Core i9-9900K8/163.6/5.095W  2992 (93.9%)
Core i9-9900KS8/164.0/5.0127W  2977 (93.4%)
Core i7-10700K8/163.8/5.1125W  2966 (93.1%)
Core i7-9700K8/83.6/4.995W  2925 (91.8%)
Core i9-99008/163.1/5.065W  2923 (91.7%)
Core i3-9350KF4/44.0/4.691W  2859 (89.7%)
Core i7-97008/83.0/4.765W  2833 (88.9%)
Core i5-96006/63.1/4.665W  2826 (88.7%)
Core i5-9600K6/63.7/4.695W  2787 (87.4%)
Core i3-93204/43.7/4.462W  2751 (86.3%)
Ryzen 7 3800X8/163.9/4.5105W  2750 (86.3%)
Ryzen 9 3950X16/323.5/4.7105W  2745 (86.1%)
Ryzen 9 3900X12/243.8/4.6105W  2725 (85.5%)
Ryzen 3 3300X4/83.8/4.365W  2720 (85.3%)
Core i3-101004/83.6/4.365W  2705 (84.9%)
Ryzen 7 3700X8/163.6/4.465W  2678 (84.0%)
Ryzen 5 3600X6/123.8/4.495W  2675 (83.9%)
Core i5-104006/122.9/4.365W  2634 (83.0%)
Ryzen 5 36006/123.6/4.265W  2576 (80.8%)
Ryzen 5 3500X6/63.6/4.165W  2518 (79.0%)
Ryzen 5 35006/63.6/4.165W  2485 (78.0%)
Ryzen 3 31004/83.6/3.965W  2450 (76.9%)

次に、「1コア当たりの性能」を意味する「シングルスレッド性能」についてですが、こちらは「Intel Core」が「AMD Ryzen」を圧倒しています。何度もお話ししている通り、コアの数は多くとも性能に直結するとは限りませんが、シングルスレッド性能の高さはどんなプログラムにでも通用しますから、ある程度のコア数があれば(6コア以上)、あとはシングルスレッド性能を追求した方が、大抵の場合において全体の処理能力は向上します。

また、「ゲーミング性能」では、別の強みがIntel Coreには存在します。それは「最適化」です。

最適化とは、特定の環境に合わせてソフトやハードを作成することで、その環境におけるパフォーマンスを引き上げることを意味する言葉です。以前のCPU業界は、性能もシェアも「Intel一強」でした。シェアの高い環境に寄せていく方が売り上げアップに繋がりやすいですから、多くのソフトでIntel優位になった結果、「ゲームならIntel」というのが一般的な評価になったのです。

しかし、Ryzen以降のAMDも負けてはいません。代を重ねるごとに順調なパワーアップを繰り返し、総合性能では逆転して、シングル性能でも徐々に差を詰めてきています。さらに、「次世代ゲーム機」にもAMD CPUが採用されますので、最適化の面でも変化が訪れることが予想されます。

とはいえ、現時点ではまだIntelに分がある訳ですから、特にすでに発売されたゲームをプレイする場合などは、Intel CPUが「第一候補」になるでしょう。




さて、それでは「格付け」に参りましょう。まずは、現在の主流である「Intel 第9世代Core」と「AMD 第3世代Ryzen」をスペックごとに分類した表をご覧下さい。

スペックCPU
ハイエンド
(最高性能)
Core i9-9900KS
Core i9-9900K
Core i9-9900KF
ハイスペック
(高性能)
Core i9-9900
Core i7-9700K
Core i7-9700KF
Core i7-9700
Core i7-9700F
Ryzen 9 3900X
Ryzen 7 3800X
Ryzen 7 3700X
ミドルスぺック
(中性能)
Core i5-9600K
Core i5-9600KF
Core i5-9500
Core i5-9400
Core i5-9400F
Ryzen 5 3600X
Ryzen 5 3600
ロースぺック
(低性能)
Core i3以下
Ryzen 3以下

緑色のCPUは、各スペックにおける「鉄板CPU」です。これらのCPUは「BTOパソコン」でも採用例が多いですが、特にこだわりがないようであれば、素直に従う方が無難です。

基本的には、「一般的なCPUのスペックの分類法」と変わりません。「Core i7 / Ryzen 7以上」を「ハイスペック」、「Core i5 / Ryzen 5」を「ミドルスペック」、「Core i3 / Ryzen 3以下」を「ロースペック」に分類しています。

ただ、理由としては少し複雑です。というのも、「総合能力」ではAMDはIntelよりも1つ格上といって良いのですが、ゲーミング性能を含めた「シングルスレッド性能」ではIntelにやや劣りますので、「差し引き0」という意味で同格としているのです。

また、「ハイエンド」に関してですが、「ハイエンドCPU」とは本来「Intel Core Xシリーズ」や「Ryzen Threadripper」など、対応する「ソケット」や「チップセット」が通常とは異なる特殊なCPUのことを指す言葉です。しかし、当サイトでは「ハイエンドCPU」の定義をこれとは別にしています。

「ゲーミングPC」におけるCPUの役割の中で最も重要なことは、「GPUの足を引っ張らない」ことです。せっかく高価なGPUを用意しても、CPUのパワー不足で全体の処理能力を落としてしまっては、もったいないからです。

となると、[4]: ハイエンドCPUは不要でお話しした通り、シングル性能に難のあるハイエンドCPUは「上位ハイスペックCPU」にゲーミング性能で勝てませんので、ここでのハイエンドの意味としては不適当ということになるのです。

よって、当サイトではハイエンドCPUの定義を「ハイエンドGPUに見合ったパワーを持つCPU」としています(→ GPUの格付け)。具体的には「Core i9-K(K付きのCore i9)」で、「ハイスペックCPU」でも少し不安があるほどのハイエンドGPUにのみ、合わせることを「おすすめ」しています。

最後に、Intelの「F付きCPU」についてお話ししておきます。

F付きCPUは「内蔵GPU」を持たないタイプで、それ以外の「スペック」や「価格」、「性能」などは「F以外のプロセッサナンバーが同じモデル」とほとんど変わりがありません。

内蔵GPUは、グラフィックボードが故障した時などに重宝するため、できれば備えておきたい機能ですが、CPU性能には差がありませんので、当サイトでは可能な限り「K」と「KF」を「同じCPU」として扱います。ご了承下さい。

以上が当サイトにおける「CPUの格付け」です。


さて、2020年5月に「第10世代Intel Core」が登場しました。これに伴い、CPUの格付けも更新する必要がでてきました。

とはいえ、先程もお話しした通り、ゲーミングPCのCPUの基本は「GPUの足を引っ張らないこと」ですから、「GPUの格付け」に変化がなければ、それに合わせるCPUの格付けも変化しないのが原則かと思います。

よって、当面はこれまでの格付けをベースに、新CPUの性能がどのスペックに該当するかを当てはめる形を取ることにしました。以下の表をご覧下さい。

スペックCPU
ハイエンド
(最高性能)
Core i9-10900K
(Core i7-10700K)
Core i9-9900KS
Core i9-9900K
Core i9-9900KF
ハイスペック
(高性能)
Core i7-10700K
(Core i5-10600K)
Core i9-9900
Core i7-9700K
Core i7-9700KF
Core i7-9700
Core i7-9700F
Ryzen 9 3950X
Ryzen 9 3900X
Ryzen 7 3800X
Ryzen 7 3700X
ミドルスぺック
(中性能)
Core i5-10600K
Core i5-10400
Core i5-9600K
Core i5-9600KF
Core i5-9500
Core i5-9400
Core i5-9400F
Ryzen 5 3600X
Ryzen 5 3600
ロースぺック
(低性能)
Core i3以下
Ryzen 3以下

新たに加わったCPUは「Core i9-10900K」、「Core i7-10700K」、「Core i5-10600K / 10400」です。

基本的に「代替わり」は「下3桁の数字 + サフィックス(末尾のアルファベット)」が同じもの同士で行われますので、「Core i9-9900K」は「Core i9-10900K」に、「Core i7-9700K」は「Core i7-10700K」に置き換わられるのが通常です。

しかし、世代交代の途中では両者が混在することも多々あり、性能は新CPUの方が高い場合がほとんどですが、同時に価格も高くなりがちですので、「コスパ」という観点からいうと、あまり変わらないことも少なくありません。

さて、表についてですが、先程と同じく緑色のCPUが各クラスにおける「鉄板」であることを表しています。そして、いくつかのCPUがカッコでくくられていますが、これについてお話しします。

カッコ付きのCPUは「Core i7-10700K」と「Core i5-10600K」が該当しますが、これらはブランドにより前者は「ハイスペック」、後者は「ミドルスペック」に分類するのが本来の形で、さらにどちらもそれぞれのスペックにおける「鉄板」でもあります。

しかし、性能面を考慮すると、Core i7-10700Kは「ハイエンド級」で、Core i5-10600Kは「6コア」であることが少し気にはなりますが、HTTもあって平均的には「8コア / 8スレッド」に近いですから、「ハイスペック級」といっても過言ではないのです。

よって、これら2つのCPUは「1つ上のクラスでも選択肢としてアリ」というポジションに定めたいと思います。

今後、第10世代Coreのラインアップが増えるに連れて、世代交代も進むと思いますが、それまでの間、このように少しずつ更新していきますので、ご了承下さい。

[7]: CPUを決める

いよいよCPUを決める作業に入りますが、その前にここまでの「おさらい」をさらっとやっておきましょう。

まず、メーカーについてですが、「総合的な性能ならAMD」、「ゲーミング性能ならIntel」というのが現在の評価です。よって、最新世代のAMD CPUは、ゲームに対しては「1ランク格下げ」して見た方が良いと思います。

そして、ミドルクラスの標準となった「6コア」で「クロック周波数の高い」CPUが、大抵の用途でパフォーマンスを発揮できる、最も効率的なCPUです。また、できれば「OC(オーバークロック)」にも対応しておきたいところです。

「8コア」はこれよりも格上で高性能ですから、「ハイスペックGPU」には8コアを合わせた方が良いですが、コアは多すぎるとクロックが上げにくくなるため、逆にパフォーマンスが下がってしまいます。よって、「多コア / 低クロック」となってしまう「ハイエンドCPU(Intel Core Xシリーズ、AMD Ryzen Threadripperブランド)」は、ゲームを含めた通常用途では考慮から外すべきかと思います。

それから、ゲーミング用途ではGPUに比べてCPUの重要性は相対的に低くなりますが、「高フレームレート」を目指す場合のみCPU性能が要求されますので、必然的に高くなるGPUのスペックとのバランスも考えて、「少なくとも上位ハイスペック級」のCPUにはしておきましょう。


続いて、CPU選びの「考え方のポイント」を挙げたいと思います。

まず、基本はやはり「絶対性能」です。自分の用途において、CPU依存度がどれくらいかは分かりにくいところではありますが、重いプログラムや複数のプログラムを想定しているのであれば、ハイスペックCPUで余裕を見ておくべきです。

「ゲーミング用途」であれば、[6]: CPUの格付けでお話ししたように、GPUのレベルに合わせたCPUを基準として、ある程度長い期間使用するつもりならば、CPUの「格上げ」を行うなど柔軟に考えると良いでしょう。

逆に、予算的に厳しいようであれば、「格下げ」も仕方ないと思いますが、その場合も「下位クラスにおける上位モデル」はキープしておきたいものです。OC可能なCPUであれば、基本性能も高いですから、なお良いと思います。

これらをクリアできてから、「コスパ」を考えます。多少の性能や価格の変動に問題がないようであれば、コスパの高いCPUを選ぶのは「賢い判断」です。


前項の最後の「CPUの格付け表」で示したように、ゲーミング用途には「ハイエンド」なら「Core i9-K(末尾K)」、「ハイスペック」なら「Core i7-K」、「ミドルスペック」なら「Core i5-K」のそれぞれ最上位モデルが「鉄板」です。

ゲーム以外の用途も重要ならば、Ryzenの価値も1ランク上がりますが、ゲーム用途で不安があるならば、大人しく鉄板に従う方が後悔が少ないでしょう。

CPUは「特定のソフト」だけでなく、「PCというシステム全体」をも動かすパーツですから、常に余力が欲しいということを覚えて帰って下さい。