ゲーミングPCの選び方

最終更新日 : 2022/11/09

ゲーミングPCのパーツ選びには序列があります。影響力の大きいパーツを選び間違えると、他のパーツが高性能でも充分なパワーは発揮できません。

PC自体安くはないものですが、ゲーミングPCはさらに質も求められるため、どうしても高額になってしまいがちです。その上、満足度の低い買い物となってしまっては目も当てられません。

ここでは、後悔しないためのゲーミングPC選びのポイントについて、お話ししています。是非、参考にして頂ければと思います。

快適な環境のための2つのポイント

ゲーミングPC選びで最も重要なことは、ゲームをプレイする上で感じる不満やストレスを回避することです。そして、ゲーム中のストレスといえば映像がカクカクすることデータのロード(読み込み)が遅いことの2つが代表的ですが、これらの現象にイライラさせられた経験がある人も多いのではないでしょうか。

その原因はソフトウェア側にある場合とハードウェア(PCやゲーム機など)側にある場合どちらも考えられますが、前者の場合は特定のゲームだけで済みますので、ダメージは比較的小さいといえるでしょう。

しかし、ハードに原因がある場合は、どのゲームでもイライラの基となる現象が生じ得ますので、非常に厄介です。できる限り、問題が起こりそうな要素は取り払っておきたいところです。

ここではカクつきとロードの遅さを回避するための方法を中心に、ゲーミングPCのパーツ選びに関して知っておいて欲しいことについて、お話しします。

「カクつき」を防ぐには?

映像における単位時間当たりのコマ数のことをフレームレートといいます。コマ数が多ければ多い(フレームレートが高い)ほどコマ間の差異が小さくなるため、映像は滑らかで綺麗になります。

逆にコマ数が少ないほどコマ間の差異が大きくなるため、滑らかさが減少してカクカク感が出やすくなるのです。つまり、カクつくとはフレームレートが低い状態をいう訳です。

快適なフレームレートの一般的な目安は平均60fps(秒間60フレーム)です。これを下回ってもすぐに不満が出る訳ではありませんが、30fpsを切ってくると、局所的に重くなって入力タイミングが遅れるなどの弊害も出てきますので、最低でも30fpsはキープしたいところです。


フレームレートに最も大きな影響を与えるパーツは、GPU(グラフィックボード)です。ゲームプログラムでは、一般的にグラフィック関連の処理が最も重くなりがちですから、これを担当するパーツであるGPUが最重要パーツとなるのです。

また、ゲームプログラムだけでなくPC全体の処理も担当するCPUの性能も重要です。シミュレーションゲームが代表的ですが、キャラクターの数が多いゲームやコンピュータ側にも深い思考を要求するゲームなどでは、CPUへの負荷が高くなりがちですから、CPUパワーもおろそかにはできません。


ゲーミング用途のみならず、PC性能はデータをどれだけ早く処理できるかが肝心です。よって、これを行う2つのプロセッサ(CPUとGPU)がPCの中心的パーツになるのは必然です。

あまりに過剰な性能は無駄といえるかもしれませんが、パワーに適度な余裕があることは絶対に損をすることはありません。処理が速いのはもちろん、性能に不満が出る時期を遅らせて買い換えのスパンを長くすることもできるからです。つまり、長い目で見ると、コスパ面でもメリットがあるといえるのです。

また、オンラインゲームなどでは、定期的なアップデートによりゲームがどんどん重くなってしまうことが良くあります。これを考慮に入れず、ギリギリのスペックで構成してしまうと、アップデートのたびにフレームレートが低下することも考えられますので、やはり余力を持つということは重要なのです。

「ロード」を早くするには?

OSを含めたプログラム本体や各種データは、SSD(ソリッドステイトドライブ)HDD(ハードディスクドライブ)などのストレージ(補助記憶装置)に保存され、必要に応じて適宜メモリへと読み込まれて、CPUにより処理されます。

グラフィックデータの場合はVRAM(グラフィックボード上のメモリ)に読み込まれて、GPUにより処理されます(ただし、グラボがなければメインメモリ上に読み込まれます)。

ゲームプログラムやゲームで使われるデータも当然これに従いますが、ゲームの場合は場面が切り替わるたびに大きなデータの入れ換えが起こることもありますので、それぞれの読み書き速度が重要になります。

ただ、ロードの遅さの主な原因は、最も遅いストレージにある場合がほとんどです。特にHDDの遅さはずば抜けていますので、OS本体やゲームなどの速度が欲しいプログラムは、HDDにインストールしないよう気を付けなければなりません。

とはいうものの、最近のBTO PCにはSSDのみでHDDを搭載していないモデルも多いですから、この点を心配する必要はないでしょう。


メモリに関しては、現状不満が出るほどの速度不足はありませんので、無理に高速メモリを使う必要はありません。

しかし、メモリは容量が不足すると、特定のソフトのみならず、システム全体の速度を大きく低下させてしまうため、常に充分な空き容量があるようにしておくべきです。


ロードの速度は、フレームレートが極端に落ちてゲームにならない状態に比べると、問題としては比較的小さいといって良いでしょう。実際、データを読み込んだ後がゲームの本編ですから、CPUやGPUよりもメモリやストレージの優先度は低くなります。

ただ、ストレージの速度が速ければ、OSや他のソフトの起動も含めて、システム全体の挙動がキビキビとなりますので、大きな満足感が得られやすくなります。よって、ストレージ速度とメモリ容量にも気を配って欲しいと思います

重要度が高い順にパーツを選ぶ

最優先はGPU

「カクつき」を防ぐには?でお話しした通り、フレームレートに最も大きな影響を与えるのはGPU性能です。よって、ゲーミングPCのパーツ選びは、まずGPU選びから始めるのがセオリーです。

当サイトでは、一般的な評価や各種ベンチマークテスト、フレームレート測定の結果を基に、GPUを大まかなスペックで分類しています(詳細は、GPUの選び方GPU(グラボ)比較&ランキングでどうぞ)。

各スペックが目標とするフレームレートとそれぞれに属するGPU、そして各GPUの4K、FHDにおける平均フレームレートをまとめると、以下の表のようになります。4K3840 x 2160FHD(フルHD)1920 x 1080の解像度を表します。

スペックGPUfps(4K / FHD)
[ハイエンド]

4K: 80 fps~
FHD: 160 fps~
RTX 4090152.7 / 215.5
RTX 3090 Ti104.3 / 181.7
RX 6950 XT93.2 / 184.0
RTX 309093.0 / 172.0
RTX 3080 Ti92.3 / 170.2
RX 6900 XT87.0 / 175.5
RX 6800 XT81.8 / 168.8
RTX 308081.0 / 158.0
[ハイスペック]

4K: 60~80 fps
FHD: 120~160 fps
RX 680071.3 / 150.4
RTX 3070 Ti67.4 / 140.3
RTX 307063.2 / 134.5
RX 6700 XT55.7 / 130.8
RTX 3060 Ti54.6 / 121.1
[ミドルスペック]

4K: ~60 fps
FHD: ~120 fps
RTX 306041.4 / 94.8
RX 6600 XT40.3 / 106.9
RX 660033.9 / 91.8
RTX 305029.1 / 69.2
GTX 1660 SUPER26.2 / 66.1
RX 6500 XT14.9 / 47.6

※2022/11 に改訂しました

快適さの基準は様々ですが、万人向けといえばFHD: 60fpsとなるでしょう。よって、GeForce GTX 1660 SUPER辺りを搭載したPCがゲーミングPCの基本となります。

4Kを考えているのであれば、ハイスペック以上ということになりますが、60fpsで常時安定させたいならば、最低でも上位ハイスペッククラスにはしておきたいものです。

高フレームレートの場合は、4Kと同じく高性能GPUが有利なのはいうまでもありませんが、画質を落とすことでいくらかはフレームレートを稼ぐことができますので、やや性能のレンジを下げても良いかもしれません。この辺りは予算などを含めて、総合的に判断するべきことといえるでしょう。

以上のような観点から自分に合ったGPUを選ぶことが、ゲーミングPCのパーツ選びの第一歩になります。

高フレームレートを目指すならCPUも重要

ゲーミングCPUの選び方については以下のページでお話ししていますので、是非ご一読下さい。


現在のゲーミングPC向け鉄板CPUのみ抜粋しておきます。参考にして下さい。

スペック
目標fps
CPU
[ハイエンド]

4K: 80 fps~
FHD: 160 fps~
Core i9-13900K / KF
Core i7-13700K / KF
Core i5-13600K / KF
Core i9-12900KS / K / KF
Core i7-12700K / KF
Ryzen 9 7950X
Ryzen 9 7900X
Ryzen 7 7700X
Ryzen 7 5800X3D
[ハイスペック]

4K: 60~80 fps
FHD: 120~160 fps
第12世代 Core i5以上
第5世代 Ryzen 5以上
[ミドルスペック]

4K: ~60 fps
FHD: ~120 fps
基本的に不問

メモリは容量が第一

メモリの役割は、プログラム(ソフトウェア)本体とプログラムが使うデータを保持しておくことです。プログラムの実行とは、CPUがメモリ上にあるデータを受け取って、指示通りに処理して、メモリ上のデータを更新することをいいます。つまり、メモリはCPUと一心同体といっても過言ではないほどに重要なパーツなのです。

ただ、メモリの速度にはあまりこだわる必要はありません。読み書きの速度は重要ではありますが、すでにそれなりに高速ですので、あまり気にする必要がないのです。

唯一、気を付けるべき点は容量です。容量が不足するとスワップが起こって大幅な速度低下を引き起こし、かつメモリ上のデータを減らさない限り、低速状態がずっと続いてしまうからです。従って、何とか足りる程度ではなく充分に余裕があるくらい確保しておきたいところです。

また、速度は重要ではないとお話ししましたが、デュアルチャネルという指定の場所に同じ規格のメモリをさすことで速度が2倍になる技術がありますので、これは積極的に狙っていきましょう。実感できるほどの速度差はないかもしれませんが、簡単にできて損をすることもないからです。

以下に、各スペックごとの鉄板メモリ容量を示します。

スペック メモリ容量
[ハイエンド]

4K: 80 fps~
FHD: 160 fps~
32GB
[ハイスペック]

4K: 60~80 fps
FHD: 120~160 fps
16GB
[ミドルスペック]

4K: ~60 fps
FHD: ~120 fps

ゲーム用途におけるメモリの鉄板容量は16GBです。数は少ないとはいえ、32GBを推奨するゲームも出てきてはいますが、現時点ではほとんどのゲームで16GBもあれば充分です。

ただ、ハイエンド級のBTOモデルのデフォルト容量も多くが32GBになりつつありますし、将来性なども含めると、ハイエンドと上位ハイスペックの標準は32GBにしても良いかもしれません。動画編集など大きなデータを扱う作業を快適に行うのであれば、もっと大きな容量にしても良いでしょう。

これまでは8GBでも良かったミドルクラスのBTOゲーミングPCでも、8GBを採用するモデルは滅多に見なくなりました。これからも必要メモリ容量は増え続けていくであろうことを考えると、このクラスは16GBを標準とした方が相応しいように思います。

何度もいいますが、メモリは容量が不足することだけは絶対に避けたいパーツです。よって、例え過剰だったとしても最低でも16GBは積んだ方が安心です。

ストレージは用途や好み次第

ストレージとは、SSD(Solid State Drive)HDD(ハードディスクドライブ)などの記憶装置のことです。両者ともメモリに読み込むデータを保存しておく機器ですが、記憶のための原理自体が異なりますので、ハードウェアとしては全くの別物です。

SSDとHDDの大きな違いといえば、SSDの方がはるかに高速である点が挙げられます。おそらくPCを高速化するにあたって最も体感差を得られるのが、HDDからSSDへの換装です。ストレージを介した読み書きは、CPUやメモリに比べて非常に遅いため、ストレージの速度を上げることが全体の処理時間を最も縮めることになるからです。

ただ、「ロード」を早くするには?でもお話ししましたが、最近はSSDのみでHDDを搭載しないモデルも多くなっているほどですから、この点については気にする必要は全くないかもしれません。


速度という意味では、HDDよりもむしろSSDの種類の方が話題の中心といえるでしょう。最初期のSSDはHDDと同じSATA(Serial ATA)規格で接続されていましたが、M.2 / NVMeという高速な規格が登場してからは徐々に後者が増え、現在ではついに主流となりました。

NVMe接続のSSDは、内部的にはPCIe(PCI Express)という汎用的なバス(データの通り道)が使われているため、そのバージョンにより最高速度は変わってきます(最新の規格はPCIe 5.0)。

ただ、数字上は何倍も速いですが、体感速度はそこまで速くはありませんし、高速タイプは発熱量が大きいなどのデメリットもありますので、過度な期待は禁物です。


いずれにせよ、OSやゲームなど速度を必要とするソフトウェアは、できる限り高速なストレージにインストールしたいところです。

ただ、ストレージの構成については、しっかりと考えるべきです。SSDも大容量化、低価格化が大分進んできましたが、それでもまだ容量と容量当たりの価格ではHDDに優位性がありますので、速度のいらない大容量データ用にHDDを備えておくのは良い判断だと思います。もちろん、PC内にはソフトウェア以外のデータは極力溜め込まないというのであればHDDなしの構成でも良いでしょう。

最後に、SSDには空き容量が大きいほど高速という性質がありますので、できれば20~30%ほどは容量を空けた状態をキープしたいところです。とはいえ、容量が欲しくなったら、別のSSDを増設すれば良いだけですので、これもあまり悩む必要はないと思います。

以下に、各スペックごとの鉄板SSD容量を示します。

スペック SSD容量
[ハイエンド]

4K: 80 fps~
FHD: 160 fps~
高速1TB
[ハイスペック]

4K: 60~80 fps
FHD: 120~160 fps
[ミドルスペック]

4K: ~60 fps
FHD: ~120 fps
高速500GB

実はストレージには鉄板と呼べるような容量はありません。確かに高いスペックを要求するようなゲームはソフトの容量も大きくなりがちですが、例えばストレージの要求容量が小さなゲームでも、たくさんのゲームをインストールするのであれば、当然必要なストレージ容量も大きくなります。つまり、ストレージ容量とスペックの高低は、直接的には関係がないのです。

とはいえ、BTOゲーミングPCが実際にどれくらいの容量を積んでいるのかを見ると、やはり上記の表のようにスペックが高いものほど容量も大きくなる傾向にありますので、素直にこれに従うのが無難でしょう。速度に関しては、お好みで、といったところです。