ゲーミングPCのパーツ選びには序列があります。影響力の大きいパーツを選び間違えると、他のパーツが高性能でも充分なパワーは発揮できません。
PC自体安くはないものですが、ゲーミングPCはさらに質も求められるため、どうしても高額になってしまいがちです。その上、満足度の低い買い物となってしまっては目も当てられません。
ここでは、後悔しないためのゲーミングPC選びのポイントについて、お話ししています。是非、参考にしてください。
また、おすすめBTOゲーミングPCのページでは価格を中心としたBTOゲーミングPCの比較やおすすめできるモデルのご紹介も行っています。このページでお話ししたことが理解できれば、おすすめの理由もはっきりと分かるはずですので、後ほど訪問して頂ければ幸いです。
最初に当サイトがおすすめするゲーミングPCの鉄板構成をご紹介しておきます。ただし、対象となるGPUは現在BTOで扱われているものに限定していますので、ご了承ください。
また、詳細は後述の重要度が高い順にパーツを選ぶでお話ししています。是非ご一読ください。
GPU | CPU | メモリ | SSD | |
---|---|---|---|---|
ハイ エンド |
RTX 4090 RTX 4080 RTX 4070 Ti RX 7900 XTX RX 7900 XT |
i9-13900K i7-13700K R9 7950X3D R9 7900X3D R7 7800X3D |
32GB | 1TB (PCIe) |
ハイ クラス |
RTX 4070 RTX 4060 Ti RTX 4060 RTX 3060 Ti RX 7800 XT RX 7700 XT RX 7600 |
i5-13500以上 R5 7600以上 |
16GB | |
ミドル クラス |
RTX 3060 RTX 3050 GTX 1660 Ti GTX 1660 SP RX 6500 XT RX 6400 |
不問 |
クラスはGPUの性能により分けていますが、分け方に定められた基準がある訳ではありませんので、かなり曖昧な指標であることは否めません。一般的にはNVIDIA GeForceでは70番台(RTX 4070など)以上がハイクラス、50番台、60番台がミドルクラスに分類されます。
AMD Radeonでは800番台(RX 7800 XTなど)以上がハイクラス、600番台、700番台がミドルクラスに分類されます。
ただし、世代が進むに連れ性能は上がっていきますから、前世代でハイクラスだったGPUが次世代ではミドルクラスに格落ちするなど、多少前後することも珍しくありません。
以上をベースとした上で、当サイト独自の基準でクラス分けしたものが上記の表です。ポイントを解説します。
最も重要な点は、ハイクラスとミドルクラスを分ける基準です。これはFHD: 90~100fpsを満たすかどうかで分けていますが、強い根拠がある訳ではありません。ただ、快適さの基本がFHD: 60fpsであること、局所的に重くなる場面があるためそれなりの余裕が欲しいことなどを考えると、これくらいが妥当な数字になるかと思います。
CPUに関してはハイクラス以上では、それなりに性能を追求した方が良いでしょう。
フレームレートは高くなればなるほどCPUの影響力が増します。つまり、ある程度高いフレームレートが見込めるGPUには、それに見合ったパワーのあるCPUを合わせなければボトルネックが生じかねないのです。
よって、ハイクラスGPUにはIntelならCore i5-13500以上、AMDならRyzen 5 7600以上の性能を持つCPUを選びましょう。もちろん、ハイクラスでも上位になればなるほどCPUへの要求性能も上がっていきますから、余裕のある構成にしておくことをおすすめします。
逆にミドルクラスでは、CPUによる差が付きにくいのに加えて、多少のフレームレートの低下などは気にしても仕方がありませんので、基本的には何でも良いということになります。ただし、CPUはシステムの稼働を担うパーツでもありますので、あまり性能を下げすぎるとゲームのみならずPC全般の挙動にも悪影響を及ぼしかねませんので、注意が必要です。
それから、メモリやSSDについては、BTOのゲーミングPCで実際に搭載されているスペックも考慮に入れた数字となっています。
特にSSDに関しては、これまでミドルクラスでは500GBをおすすめしてきましたが、価格が安くなってきたこともあってか下位クラスPCでも最低1TBというモデルが増えてきましたので、クラスに関係なく後者を基本とすることにしました。
もちろん、もっと容量が欲しい人もいるかと思いますので、用途に合わせて適宜変更して頂ければと思います。
以上が、当サイトがおすすめするゲーミングPCの鉄板構成の解説ですが、絶対的な条件では決してありません。あくまでも一つの目安として、参考にして頂ければと思います。
ゲーミングPC選びで最も重要なことは、ゲームをプレイする上で感じる不満やストレスを回避することです。そして、ゲーム中のストレスといえば映像がカクカクすることとデータのロード(読み込み)が遅いことの2つが代表的ですが、これらの現象にイライラさせられた経験がある人も多いのではないでしょうか。
その原因はソフトウェア側にある場合とハードウェア(PCやゲーム機など)側にある場合どちらも考えられますが、前者の場合は特定のゲームだけで済みますので、ダメージは比較的小さいといえるでしょう。
しかし、ハードに原因がある場合は、どのゲームでもイライラの基となる現象が生じ得ますので、非常に厄介です。できる限り、問題が起こりそうな要素は取り払っておきたいところです。
ここではカクつきとロードの遅さを回避するための方法を中心に、ゲーミングPCのパーツ選びに関して知っておいて欲しいことについて、お話しします。
映像における単位時間当たりのコマ数のことをフレームレートといいます。コマ数が多ければ多い(フレームレートが高い)ほどコマ間の差異が小さくなるため、映像は滑らかで綺麗になります。
逆にコマ数が少ないほどコマ間の差異が大きくなるため、滑らかさが減少してカクカク感が出やすくなるのです。つまり、カクつくとはフレームレートが低い状態をいう訳です。
快適なフレームレートの一般的な目安は60fps(秒間60フレーム)です。これを下回ってもすぐに不満が出る訳ではありませんが、30fpsを切ってくると、局所的に重くなって入力タイミングが遅れるなどの弊害も出てきますので、最低でも30fpsはキープしたいところです。
フレームレートに最も大きな影響を与えるパーツは、GPU(グラフィックボード)です。ゲームプログラムでは、一般的にグラフィック関連の処理が最も重くなりがちですから、これを担当するパーツであるGPUが最重要パーツとなるのです。
また、ゲームプログラムだけでなくPC全体の処理も担当するCPUの性能も重要です。シミュレーションゲームが代表的ですが、キャラクターの数が多いゲームやコンピュータ側にも深い思考を要求するゲームなどでは、CPUへの負荷が高くなりがちですから、CPUパワーもおろそかにはできません。
ゲーミング用途のみならず、PC性能はデータをどれだけ早く処理できるかが肝心です。よって、これを行う2つのプロセッサ(CPUとGPU)がPCの中心的パーツになるのは必然です。
あまりに過剰な性能は無駄といえるかもしれませんが、パワーに適度な余裕があることは絶対に損をすることはありません。処理が速いのはもちろん、性能に不満が出る時期を遅らせて買い換えのスパンを長くすることもできるからです。つまり、長い目で見ると、コスパ面でもメリットがあるといえるのです。
また、オンラインゲームなどでは、定期的なアップデートによりゲームがどんどん重くなってしまうことが良くあります。これを考慮に入れず、ギリギリのスペックで構成してしまうと、アップデートのたびにフレームレートが低下することも考えられますので、やはり余力を持つということは重要なのです。
OSを含めたプログラム本体や各種データは、SSD(ソリッドステイトドライブ)やHDD(ハードディスクドライブ)などのストレージ(補助記憶装置)に保存され、必要に応じて適宜メモリへと読み込まれて、CPUにより処理されます。
グラフィックデータの場合はVRAM(グラフィックボード上のメモリ)に読み込まれて、GPUにより処理されます(ただし、グラボがなければメインメモリ上に読み込まれます)。
ゲームプログラムやゲームで使われるデータも当然これに従いますが、ゲームの場合は場面が切り替わるたびに大きなデータの入れ換えが起こることもありますので、それぞれの読み書き速度が重要になります。
ただ、ロードの遅さの主な原因は、最も遅いストレージにある場合がほとんどです。特にHDDの遅さはずば抜けていますので、OS本体やゲームなどの速度が欲しいプログラムは、HDDにインストールしないよう気を付けなければなりません。
とはいうものの、最近のBTO PCにはSSDのみでHDDを搭載していないモデルも多いですから、この点を心配する必要はないでしょう。
メモリに関しては、現状不満が出るほどの速度不足はありませんので、無理に高速メモリを使う必要はありません。
しかし、メモリは容量が不足すると、特定のソフトのみならず、システム全体の速度を大きく低下させてしまうため、常に充分な空き容量があるようにしておくべきです。
ロードの速度は、フレームレートが極端に落ちてゲームにならない状態に比べると、問題としては比較的小さいといって良いでしょう。実際、データを読み込んだ後がゲームの本編ですから、CPUやGPUよりもメモリやストレージの優先度は低くなります。
ただ、ストレージの速度が速ければ、OSや他のソフトの起動も含めて、システム全体の挙動がキビキビとなりますので、大きな満足感が得られやすくなります。よって、ストレージ速度とメモリ容量にも気を配って欲しいと思います。
ゲーミングPCを具体的に選ぶ前にやっておきたいことがありますので、お話しておきます。
もし、すでにプレイするゲームが決まっているのであれば、まず最初に動作環境をチェックしておきましょう。
動作環境とは、ソフトウェアを動作させるための様々な条件のことで、通常ソフトウェアの開発元により公開されています。
動作環境は、一般的に2種類存在します。1つは必要スペック(仕様、性能の意)、あるいは最低スペックと呼ばれるもので、とりあえず動くことが見込める環境の目安となります。
もう1つは推奨スペックで、ある程度快適な動作が見込める環境の目安です。
最低スペックは余り余裕がない構成の場合が多く、またソフトウェア、特にゲームの場合はアップデートなどにより重くなることも良くありますので、推奨スペック以上にしておくことをおすすめします。
初心者の人などはスペック表を見ても何のこっちゃ分からないかもしれませんが、データの見方などの詳細は後々お話ししますので、まずは動作環境というものがあるということを知っておいた頂ければと思います。
続いて、自分がどの程度の映像品質を求めているかを明確にしておきましょう。
映像品質を決めるパラメータは、大きく分けると2種類あります。
1つは解像度です。解像度は、画面や画像を構成する点(ドット)が横縦にどれだけ並んでいるかのデータです。高解像度 = 点の数が多いほど粒が細かい精細な画像、映像になりますので、より鮮明に表現できます。
もう1つはフレームレートです。フレームレートは秒当たりのコマ数のことで、数値が高いほど映像が滑らかに見えます。
つまり、精細かつ滑らかなほど映像品質が高いといえる訳です。特に動きの激しい映像でフレームレートが低いとブレや残像が酷くなってしまって、人や物が認識しづらくなってしまいます。これがアクション性が高いFPSゲームやレースゲームでは高フレームレートが必須といわれる理由です。
ただし、高い映像品質を実現するには、当然のことながら高性能高価格のPC(特にグラフィックボード)が必要になります。予算に余裕があれば問題はないかもしれませんが、多くの人はできるかぎり安く抑えたいと思っているはずですので、性能と価格のバランスをどう取るかがゲーミングPC選びの最大のポイントになる訳です。
それでは、いよいよゲーミングPCのパーツ選びのポイントを個別にお話ししていきます。
「カクつき」を防ぐには?でお話しした通り、フレームレートに最も大きな影響を与えるのはGPU性能です。よって、ゲーミングPCのパーツ選びは、まずGPU選びから始めるのがセオリーです。
そして、ゲーム用のGPUですから、ゲームのフレームレート(秒当たりのフレーム数)のデータが最も参考になるでしょう。
以下のデータはTechPowerUpという海外のサイトに掲載されている25のゲームで計測したフレームレートの平均値をまとめたものです。CPUには現役最高クラスの性能を持つCore i9-13900Kが使われていますので、ボトルネックを気にする必要はありません。詳細はMSI GeForce RTX 4060 Ventus 2X OC Reviewでどうぞ。
また、当サイトでもGPU(グラボ)比較&ランキング でGPUの性能やコスパなどについてお話ししていますので、是非ご一読ください。
GPU | 4K (2160p) | WQHD (1440p) | FHD (1080p) |
---|---|---|---|
AMD Radeon RX 7000シリーズ (2022/11~) | |||
RX 7900 XTX | 107.5 | 174.3 | 212.8 |
RX 7900 XT | 89.9 | 151.7 | 193.1 |
RX 7800 XT | 70.2 | 119.4 | 156.5 |
RX 7700 XT | 58.2 | 103.5 | 138.1 |
RX 7600 | 35.2 | 67.7 | 94.0 |
Intel Arc Aシリーズ (2022/10~) | |||
Arc A770 | 42.2 | 70.6 | 91.7 |
Arc A750 | 36.1 | 64.7 | 85.2 |
NVIDIA GeForce RTX 40シリーズ (2022/09~) | |||
RTX 4090 | 133.0 | 208.7 | 243.2 |
RTX 4080 | 103.4 | 171.8 | 214.2 |
RTX 4070 Ti | 82.3 | 141.8 | 187.1 |
RTX 4070 | 66.5 | 115.0 | 153.5 |
RTX 4060 Ti 16GB | 49.1 | 87.7 | 119.9 |
RTX 4060 Ti 8GB | 47.9 | 86.9 | 119.5 |
RTX 4060 | 38.7 | 69.6 | 96.0 |
AMD Radeon RX 6000シリーズ (2020/11~) | |||
RX 6900 XT | 73.0 | 124.4 | 162.3 |
RX 6800 XT | 68.2 | 116.7 | 152.6 |
RX 6800 | 59.1 | 100.7 | 132.3 |
RX 6700 XT | 45.9 | 81.9 | 110.1 |
RX 6600 XT | 32.0 | 62.6 | 88.5 |
RX 6600 | 27.3 | 53.6 | 76.7 |
RX 6500 XT | 10.6 | 23.0 | 35.0 |
NVIDIA GeForce RTX 30シリーズ (2020/09~) | |||
RTX 3090 Ti | 90.7 | 144.4 | 181.8 |
RTX 3090 | 79.8 | 129.3 | 166.6 |
RTX 3080 | 69.6 | 114.8 | 148.3 |
RTX 3070 Ti | 57.5 | 97.4 | 128.1 |
RTX 3070 | 53.5 | 90.4 | 121.3 |
RTX 3060 Ti | 46.6 | 79.5 | 106.4 |
RTX 3060 | 35.0 | 60.4 | 81.3 |
RTX 3050 | 24.5 | 43.2 | 59.1 |
AMD Radeon RX 5000シリーズ (2019/07~) | |||
RX 5700 XT | 34.3 | 59.7 | 80.6 |
NVIDIA GeForce GTX 16シリーズ (2019/02~) | |||
GTX 1660 SP | 21.4 | 39.6 | 54.5 |
NVIDIA GeForce RTX 20シリーズ (2018/09~) | |||
RTX 2080 Ti | 52.6 | 88.2 | 116.3 |
RTX 2080 | 41.3 | 71.8 | 96.6 |
RTX 2070 | 33.7 | 58.0 | 78.1 |
RTX 2060 | 26.1 | 47.6 | 65.9 |
まずは快適なフレームレートの目安についてお話しします。
基本的には60fps(秒間60フレーム)もあれば、多くの人にとって問題はないと思われます。カクつきを感じることなく、滑らかな映像でゲームを楽しむことができるはずです。
ただ、FPSやレースなどのアクション性の高いゲームをプレイするのであれば、もっと高いフレームレートを狙った方が良いかもしれません。
動きの激しい映像はフレーム間の差異が大きくなります。すると、細部を認識しづらくなって、キャラクターや背景がぼやけて残像のように見えてしまうのです。
ところが、フレームレートが高いとフレーム間のギャップを埋めてくれることになりますので、映像がはっきりと滑らかに見えるという訳です。
本気のFPSゲーマーは、解像度やグラフィック品質を落としてでも、グラフィック負荷を下げフレームレートを向上させることに注力します。勝敗を左右するほどの恩恵が高フレームレートにはあるからです。よって、競技者レベルのクォリティーを望んでいない人でもFHD: 120fps辺りまでは対応しておきたいものです。
次に解像度です。同じ60fpsであっても4Kは単純計算でFHDの4倍の量データの処理が必要になりますので、求められるGPU性能が桁違いなのです。
ただ、FHDでも充分に奇麗ですので、一般向けにはこの解像度が基準となるでしょう。画質にこだわりたい人だけがWQHDや4Kを視野に入れるといった形です。
これらをまとめると、目的別の目標解像度、フレームレートは以下のようになります。
目的 | 解像度: fps |
---|---|
基本 | FHD: 60fps |
アクション性の高いゲーム | FHD: 120fps |
精細なグラフィックのゲーム | 4K: 60fps |
基本はやはりPlayStation 4やNintendo Switchなどと同じFHD: 60fpsです。解像度とフレームレートの具体的なイメージが湧かない人は、とりあえずこの数字を目指すと良いでしょう。
ただ、せっかく映像品質に縛りの少ないゲーミングPCでゲームを行うのですから、1ランク上を狙ってみたり、あるいは将来性を考慮して性能に余裕を見ておくこともおすすめしたいところです。
では、本題に入ります。
現行世代はNVIDIA GeForceがGeForce RTX 40シリーズ、AMD RadeonがRadeon RX 7000シリーズです。
IntelもArc Aシリーズというブランドを持ってはいますが、長らくdGPU(グラフィックボード用GPU)を作っていなかったこともあって、性能や品質の部分でまだまだという印象ですので、考慮から外した方が良いでしょう。
これを踏まえた上で見ていくと、まず目を引くのはGeForce RTX 4090の突き抜けっぷりです。最高を追求する人にはハイエンドGPUのGeForce RTX 4090以外の選択肢はないといっても過言ではありません。
ただ、価格もまた突き抜けていますので、多くの人にとっては手が出せるものではないでしょう。条件を絞る必要があります。
先ほどFPSゲームならばFHD: 120fps辺りが目標とお話ししましたが、上記のデータではGeForce RTX 4060 Ti辺りが、旧世代ならばGeForce RTX 3070やRadeon RX 6700 XT辺りが当落線上にあるといえそうです。
ただし、上記のデータは重めのゲームを含めた平均値である点に注意が必要です。FPSゲームなどはフレームレートの重要性を考慮に入れて、軽めに作ってあるものが少なくありません。つまり、ゲームによってはもっと格下のGPUでも求めるフレームレートを実現することができる場合があるということです。プレイ予定のゲームの重さをあらかじめ調べておくことをおすすめします。
もちろん、ハイスペックGPUならば余裕を持って高フレームレートを実現できますが、オーバースペック過ぎるとそれは無駄といわざるを得ませんので、自分が望むグラフィックレベルに合致するGPUを探すことが重要です。
おおよその目安が付いたら、予算と相談しながら細かい部分を詰めていきます。長く使うつもりだからパワーに余裕を持たせようだとか、多少フレームレートが落ちても安さを優先させようというように自分のポリシーに照らし合わせながらターゲットを絞っていきます。
その際、今ならGeForceの最新世代GPUを基準にすると良いでしょう。性能の差が比較的等間隔で目途を付けやすいからです。これを基準として、コスパやデータなどからRadeonや旧世代GPUを探っていくのです。
ただし、GPUはゲーミングPCの性能の中枢ですので、妥協しすぎると良い結果にならないことだけは覚えておいて頂きたいと思います。
ゲーミングCPUの選び方については以下のページでお話ししていますので、是非ご一読ください。
スペック別最新おすすめゲーミングCPUランキングのみ抜粋しておきます。参考にしてください。
順位 | ハイエンド (RTX 4070 Ti以上) | ハイクラス (RTX 3060 Ti以上) | ミドルクラス |
---|---|---|---|
1位 | Ryzen 7 7800X3D | Ryzen 7 7800X3D | Core i5-13600K |
2位 | Core i9-13900K | Core i7-13700K | Ryzen 5 7600X |
3位 | Core i7-13700K | Core i5-13600K | Core i5-13500 |
メモリの役割は、プログラム(ソフトウェア)本体とプログラムが使うデータを保持しておくことです。プログラムの実行とは、CPUがメモリ上にあるデータを受け取って、指示通りに処理して、メモリ上のデータを更新することをいいます。つまり、メモリはCPUと一心同体といっても過言ではないほどに重要なパーツなのです。
ただ、メモリの速度にはあまりこだわる必要はありません。読み書きの速度は重要ではありますが、すでにそれなりに高速ですので、あまり気にする必要がないのです。
唯一、気を付けるべき点は容量です。容量が不足するとスワップが起こって大幅な速度低下を引き起こし、かつメモリ上のデータを減らさない限り、低速状態がずっと続いてしまうからです。従って、何とか足りる程度ではなく充分に余裕があるくらい確保しておきたいところです。
また、速度は重要ではないとお話ししましたが、デュアルチャネルという指定の場所に同じ規格のメモリをさすことで速度が2倍になる技術がありますので、これは積極的に狙っていきましょう。実感できるほどの速度差はないかもしれませんが、簡単にできて損をすることもないからです。
では、具体的なお話に入ります。
ゲーム用途におけるメモリの鉄板容量は16GBです。数は少ないとはいえ、32GBを推奨するゲームも出てきてはいますが、現時点ではほとんどのゲームで16GBもあれば充分です。
ただ、ハイエンド級のBTOモデルのデフォルト容量も多くが32GBになりつつありますし、将来性なども含めると、ハイエンドと上位ハイスペックの標準は32GBにしても良いかもしれません。動画編集など大きなデータを扱う作業を快適に行うのであれば、もっと大きな容量にしても良いでしょう。
これまでは8GBでも良かったミドルクラスのBTOゲーミングPCでも、8GBを採用するモデルは滅多に見なくなりました。これからも必要メモリ容量は増え続けていくであろうことを考えると、このクラスは16GBを標準とした方が相応しいように思います。
何度もいいますが、メモリは容量が不足することだけは絶対に避けたいパーツです。よって、例え過剰だったとしても最低でも16GBは積んだ方が安心です。
ストレージとは、SSD(Solid State Drive)やHDD(ハードディスクドライブ)などの記憶装置のことです。両者ともメモリに読み込むデータを保存しておく機器ですが、記憶のための原理自体が異なりますので、ハードウェアとしては全くの別物です。
SSDとHDDの大きな違いといえば、SSDの方がはるかに高速である点が挙げられます。おそらくPCを高速化するにあたって最も体感差を得られるのが、HDDからSSDへの換装です。ストレージを介した読み書きは、CPUやメモリに比べて非常に遅いため、ストレージの速度を上げることが全体の処理時間を最も縮めることになるからです。
ただ、「ロード」を早くするには?でもお話ししましたが、最近はSSDのみでHDDを搭載しないモデルも多くなっているほどですから、この点については気にする必要は全くないかもしれません。
速度という意味では、HDDよりもむしろSSDの種類の方が話題の中心といえるでしょう。最初期のSSDはHDDと同じSATA(Serial ATA)規格で接続されていましたが、M.2 / NVMeという高速な規格が登場してからは徐々に後者が増え、現在ではついに主流となりました。
NVMe接続のSSDは、内部的にはPCIe(PCI Express)という汎用的なバス(データの通り道)が使われているため、そのバージョンにより最高速度は変わってきます(最新の規格はPCIe 5.0)。
ただ、数字上は何倍も速いですが、体感速度はそこまで速くはありませんし、高速タイプは発熱量が大きいなどのデメリットもありますので、過度な期待は禁物です。
いずれにせよ、OSやゲームなど速度を必要とするソフトウェアは、できる限り高速なストレージにインストールしたいところです。
ただ、ストレージの構成については、しっかりと考えるべきです。SSDも大容量化、低価格化が大分進んできましたが、それでもまだ容量と容量当たりの価格ではHDDに優位性がありますので、速度のいらない大容量データ用にHDDを備えておくのは良い判断だと思います。もちろん、PC内にはソフトウェア以外のデータは極力溜め込まないというのであればHDDなしの構成でも良いでしょう。
最後に、SSDには空き容量が大きいほど高速という性質がありますので、できれば20~30%ほどは容量を空けた状態をキープしたいところです。とはいえ、容量が欲しくなったら、別のSSDを増設すれば良いだけですので、これもあまり悩む必要はないと思います。
では、具体的にどれくらいの容量が必要かというと、実はストレージには鉄板と呼べるような容量はありません。確かに高いスペックを要求するようなゲームはソフトの容量も大きくなりがちですが、例えばストレージの要求容量が小さなゲームでも、たくさんのゲームをインストールするのであれば、当然必要なストレージ容量も大きくなります。つまり、ストレージ容量とスペックの高低は、直接的には関係がないのです。
とはいえ、BTOゲーミングPCが実際にどれくらいの容量を積んでいるのかを見ると、やはり上記の表のようにスペックが高いものほど容量も大きくなる傾向にありますので、素直にこれに従うのが無難でしょう。速度に関しては、お好みで、といったところです。