Ada Lovelace(エイダラブレス)アーキテクチャ採用するNVIDIA GeForce RTX 40シリーズで2番目に登場したGPUがGeForce RTX 4080です。
その性能は前世代ハイエンドのGeForce RTX 3090 Tiを超えるなど順当な進化を遂げていて、現行ハイエンドのGeForce RTX 4090との間に合った大きなギャップをようやく埋めてくれました。
ここでは、そんなGeForce RTX 4080を搭載したBTOゲーミングPCの価格を徹底比較して、おすすめPCをご紹介したいと思います。
BTOゲーミングPCの価格比較を簡単に行いたいならこちらへどうぞ。パーツや規格を選ぶと、それらで構成されたBTOゲーミングPCのスペックと価格が分かりやすく一覧表示されます。PC選びの一助となると思いますので、是非ご利用下さい。
ここからはGeForce RTX 4080のGPU性能に関するデータをご覧頂きたいと思いますが、詳細はGPU(グラボ)比較&ランキングでお話ししていますので、ご一読頂ければ幸いです。
早速GeForce RTX 4080のゲーミング性能に関するデータをご覧頂きます。
以下のデータはTechPowerUpという海外のサイトに掲載されている25のゲームで計測したフレームレートの平均値をまとめたものです。CPUには現役最高クラスの性能を持つCore i9-14900Kが使われていますので、ボトルネックを気にする必要はありません。詳細はNVIDIA GeForce RTX 4080 Super Founders Edition Review - Helping you Save $200でどうぞ。
データはFHD解像度におけるフレームレートが高い順に並べてあり、緑色がNVIDIA GeForceの、赤色がAMD RadeonのGPUであることを表していますが、対象となるGPUはどちらも直近2世代に限定しています。また、GPU名のリンクから、そのGPUを搭載したBTOゲーミングPCをご紹介したページへ飛ぶことができますので、ご活用頂ければと思います。
また、このデータの詳細はGPUの選び方: フレームレートによる性能比較で、またGPU全般のデータはGPU(グラボ)比較&ランキング でお話ししていますので、是非ご一読下さい。
GPU | 4K | WQHD | FHD |
---|---|---|---|
RTX 4090 | 118.7 | 188.1 | 223.6 |
RX 7900 XTX | 96.1 | 159.5 | 197.9 |
RTX 4080 SUPER | 93.7 | 155.8 | 195.4 |
RTX 4080 | 92.5 | 154.1 | 193.8 |
RX 7900 XT | 81.0 | 139.9 | 179.1 |
RTX 4070 Ti SUPER | 79.7 | 135.8 | 174.7 |
RTX 4070 Ti | 72.8 | 128.2 | 167.6 |
RTX 3090 Ti | 81.5 | 131.3 | 165.4 |
RTX 4070 SUPER | 67.2 | 118.4 | 157.0 |
RTX 3090 | 72.5 | 119.2 | 153.0 |
RX 6900 XT | 65.3 | 114.0 | 149.2 |
RX 7800 XT | 62.3 | 109.3 | 144.0 |
RX 6800 XT | 60.7 | 106.8 | 140.9 |
RTX 3080 | 63.6 | 106.1 | 139.1 |
RTX 4070 | 58.6 | 103.5 | 139.0 |
RX 7700 XT | 50.7 | 92.1 | 124.9 |
RX 6800 | 52.9 | 92.1 | 120.9 |
RTX 3070 Ti | 50.5 | 87.7 | 116.9 |
RTX 3070 | 47.3 | 82.6 | 111.0 |
RTX 4060 Ti 16GB | 43.2 | 78.0 | 107.9 |
RTX 4060 Ti 8GB | 41.1 | 77.1 | 107.0 |
RX 6700 XT | 40.7 | 74.3 | 101.2 |
RTX 3060 Ti | 40.7 | 71.6 | 97.6 |
RX 7600 | 34.7 | 63.7 | 89.4 |
RTX 4060 | 33.6 | 61.3 | 85.0 |
RX 7600 | 30.1 | 57.9 | 82.0 |
RX 6600 XT | 29.2 | 56.1 | 79.3 |
RTX 3060 | 31.2 | 54.7 | 74.9 |
RX 6600 | 24.1 | 47.7 | 68.2 |
RTX 3050 | 21.6 | 39.2 | 54.0 |
RX 6500 XT | 8.6 | 19.3 | 32.7 |
GeForce RTX 4080の性能は4K:平均100fpsも見えてくるほどですので、常時60fpsは確実といって良いでしょう。
WQHDでは150fps以上出せていますので、こちらはほぼ常時120fpsが可能かと思います。通常のプレイであれば充分に高いフレームレートですので、不満を感じることはまずありません。
FHDでは190fpsオーバーですから、ここでも常時120fpsはほぼ確定です。
GeForce RTX 4080は、後任のGeForce RTX 4080 SUPERに置き換えられていく予定ですが、両GPUにはほとんど差がありませんので、価格次第ではありますが今GeForce RTX 4080を選んでも損という感覚はないといっても良いでしょう。
GeForce RTX 4090は高すぎて手が出せないという人には良い選択肢となるGPUです。
GeForce RTX 4080を用いて測定されたゲームのフレームレート(fps: 秒あたりのフレーム数)のデータです。4K(2160p)、WQHD(1440p)、FHD(1080p)の3つの解像度で測定されています。また、どのテストもCPUにはCore i9-13900Kが採用されています。
快適なフレームレートの一般的な目安は60fpsですが、フレームレートは高ければ高いほど視認性が上がりますので、ゲームを有利にすることができます。特にFPSゲームやレースゲームのような動きの激しいゲームほど高フレームレートの恩恵を受けやすくなりますので、勝負にこだわる人は120fpsくらいはキープしたいところです。
それから一つ注意点ですが、エルデンリングはフレームレートが60fpsに制限されています。これを解除するにはMODを導入するなど特別な作業が必要になりますが、ここではその方法については扱いません。あくまでもGPU性能を計るためのデータということでご理解下さい。
4K | WQHD | FHD | |
---|---|---|---|
25 Games Avg | 124.4 | 202.9 | 250.9 |
エルデンリング | 90.9 | 141.5 | 168.4 |
FF14 | 146.7 | 247.8 | 290.6 |
25 Games Avgとは、25のゲームの平均フレームレートの平均値です。
25 Games Avgの4Kの平均が120fpsを超えていますので、重いゲームを除いたほとんどのゲームでこれくらいの数字をキープできそうです。
120fpsくらいあれば、多少フレームレートの落ち込みがあっても勝敗を分ける要因とはなりませんので、映像の美しさと実用性の両立が可能かと思います。
PCはGPUだけで成り立っている訳ではありませんから、高い性能を発揮するにはその他のパーツもおろそかにはできません。
その中でも最も影響力が大きいパーツはCPUです。グラフィックボード(GPU)ほどではありませんが、場合によってはゲームのフレームレートを体感できるほど変えてしまいます。
それどころか、CPUの主な役割はシステムやその他のソフトウェアを処理することですから、その性能はゲームのみならずPC全体の挙動にも影響を及ぼします。
CPUがゲームのフレームレートにどれくらい影響するかのデータを以下に示します。
CPU | 4K | WQHD | FHD |
---|---|---|---|
第14世代Core (2023/10) | |||
Core i9-14900K | 100 | 100 | 100 |
Core i7-14700K | 99.1 | 97.2 | 96.9 |
Core i5-14600K | 97.5 | 92.6 | 91.4 |
第13世代Core (2022/10, 2023/01) | |||
Core i9-13900KS | 99.8 | 99.4 | 99.2 |
Core i9-13900K | 99.6 | 98.8 | 98.6 |
Core i7-13700K | 98.7 | 95.9 | 95.5 |
Core i5-13600K | 96.9 | 91.6 | 89.8 |
Core i5-13400F | 90.6 | 77.8 | 74.0 |
第6世代Ryzen (2022/09, 2023/01, 02, 04) | |||
Ryzen 9 7950X3D | 98.8 | 96.4 | 98.5 |
Ryzen 9 7950X | 94.8 | 88.7 | 88.1 |
Ryzen 9 7900X | 94.7 | 89.0 | 88.1 |
Ryzen 9 7900 | 93.7 | 86.0 | 84.9 |
Ryzen 7 7800X3D | 99.6 | 101.2 | 104.3 |
Ryzen 7 7700X | 95.2 | 89.5 | 88.7 |
Ryzen 7 7700 | 94.6 | 88.5 | 87.6 |
Ryzen 5 7600X | 94.5 | 88.2 | 87.1 |
Ryzen 5 7600 | 93.4 | 86.5 | 85.1 |
第12世代Core (2021/11, 2022/01, 04) | |||
Core i9-12900K | 96.5 | 89.5 | 87.4 |
Core i7-12700K | 94.8 | 86.6 | 83.7 |
Core i5-12600K | 92.9 | 81.8 | 78.7 |
Core i5-12600 | 91.8 | 79.2 | 75.7 |
Core i5-12400F | 89.2 | 75.6 | 71.9 |
Core i3-12300 | 85.5 | 70.4 | 65.7 |
Core i3-12100F | 84.2 | 68.9 | 63.9 |
第11世代Core (2021/03) | |||
Core i9-11900K | 84.5 | 71.6 | 67.2 |
Core i7-11700K | 83.4 | 70.2 | 65.4 |
Core i5-11600K | 81.4 | 66.7 | 62.3 |
Core i5-11400F | 75.1 | 58.7 | 54.7 |
第4世代Ryzen (2020/11, 2022/04) | |||
Ryzen 9 5950X | 89.2 | 77.1 | 74.2 |
Ryzen 9 5900X | 88.9 | 76.8 | 73.7 |
Ryzen 7 5800X3D | 94.8 | 85.8 | 84.1 |
Ryzen 7 5800X | 87.9 | 75.5 | 72.4 |
Ryzen 7 5700X | 87.3 | 74.6 | 71.6 |
Ryzen 5 5600X | 86.9 | 74.0 | 70.9 |
Ryzen 5 5600 | 86.3 | 73.0 | 69.7 |
Ryzen 7 5700G | 78.9 | 64.8 | 60.6 |
第3世代Ryzen (2019/07, 09, 2020/02, 05, 07) | |||
Ryzen 9 3900X | 77.9 | 62.4 | 57.9 |
Ryzen 7 3700X | 78.1 | 62.3 | 57.9 |
Ryzen 5 3600 | 76.1 | 60.3 | 55.9 |
Ryzen 3 3300X | 75.2 | 59.2 | 54.9 |
上の表はCore i9-14900Kの性能を100とした場合の各CPUの相対的な性能を数値化(%)したデータです。13個のゲームで計測した平均フレームレートの平均値から算出したもので、4K(2160p)、WQHD(1440p)、FHD(1080p)の3種類の解像度で測定されています。また、GPUにはGeForce RTX 4090を使用しています。
一般的に高解像度よりも低解像度の方がCPUの影響力は大きくなりますが、上記のデータもまさにそういった傾向を見せています。4Kにおいては最高と最低の差は25ポイント程度ですが、FHDにおいては何と50ポイントも差が付いています(Ryzen 7 7800X3Dの104.3が最高)。50%も性能が落ちるということは、FHDにおいてGeForce RTX 4090がGeForce RTX 4060 Ti相当になるということになりますが、これでは良いGPUの意味を台無しにしてしまいかねません。
ただし、これはハイエンドGPUのGeForce RTX 4090だからこその数字である点に注意が必要です。CPUの影響力はGPU性能が高いほど大きくなるという特徴もあるからです。一応の目安としては、GeForce RTX 3070 Ti以上のGPUであれば、CPUの性能にも気を配った方が良さそうです。
詳細は以下のページでお話ししていますので、興味のある人はご一読下さい。
上記のページのまとめと現在のおすすめゲーミングCPUのランキングをスペックごとに挙げると、以下のようになります。
順位 | ハイエンド (RTX 4070 Ti以上) | ハイクラス (RTX 3070以上) | ミドルクラス |
---|---|---|---|
1位 | Ryzen 7 7800X3D | Ryzen 7 7800X3D | Core i5-14600K |
2位 | Core i9-14900K | Core i7-14700K | Ryzen 5 7600X |
3位 | Core i7-14700K | Core i5-14600K | Core i5-14500 |
以上により、GeForce RTX 4080に合わせるCPUは、ボトルネックを避けるため、できるだけ高性能にしておいた方が良いでしょう。上記のデータでいうならば、Core i7-13700K以上のスコアを出しているCPUを合わせることを強くおすすめします。
ここでは、BTOゲーミングPC価格チェッカーを使って、各ショップが販売しているBTOゲーミングPCの価格を徹底比較し、おすすめPCを導き出したいと思います。
構成は前項でお話しした通りです。これに合わせた場合の価格の一覧表を以下に示しますが、いくつか補足がありますのでご注意下さい。
モデル名 | 価格 | GPU | CPU | CS | メモリ | ストレージ | OS | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
容量 | 枚数 | 規格 | メイン | サブ | ||||||
▶ LV R779- LC147KF-VL1X | ¥414,100 | RTX4080 | i7-14700KF | Intel Z790 | 32GB (+14,300) | 2 | DDR5-4800 | 1TB (PCIe 4) | - | Win 11 Home |
▶ LV R7X7- LCR77-VLX | ¥419,100 (+5,000) | RTX4080 | R7 7700 | AMD X670 | 32GB (+14,300) | 2 | DDR5-4800 | 1TB (PCIe 4) | - | Win 11 Home |
▶ LV R7X7- LCR79-VLX | ¥434,800 (+20,700) | RTX4080 | R9 7900 | AMD X670 | 32GB | 2 | DDR5-4800 | 1TB (PCIe 4) | - | Win 11 Home |
▶ LV R779- LC149KF-VL2X | ¥446,800 (+32,700) | RTX4080 | i9-14900KF | Intel Z790 | 32GB | 2 | DDR5-4800 | 1TB (PCIe 4) | - | Win 11 Home |
▶ LV R7X7- LCR78D-VL2X | ¥446,800 (+32,700) | RTX4080 | R7 7800X3D | AMD X670 | 32GB | 2 | DDR5-4800 | 1TB (PCIe 4) | - | Win 11 Home |
▶ LV R7X7- LCR79W-VLX | ¥492,800 (+78,700) | RTX4080 | R9 7950X | AMD X670 | 32GB | 2 | DDR5-4800 | 1TB (PCIe 4) | - | Win 11 Home |
モデル名をクリックすると、詳細なスペック表と販売ページへのリンクが表示されます。
また、他の様々な条件で比較を行いたいようでしたら、是非BTOゲーミングPC価格チェッカーを試して頂ければと思います。
では、本題です。
まずGPUの次に重要なパーツとなるCPUについてですが、性能を発揮するためにはCPUも重要でお話しした通り、素直にRyzen 7 7800X3DやCore i9-14900K(F)、Core i7-14700K(F)辺りを合わせることをおすすめします。
また、Ryzen 7 7800X3Dなど末尾に3Dが付くAMD Ryzen 7000X3DシリーズのCPUは大容量のキャッシュメモリを搭載していますが、これがゲーミング用途では抜群の効果を発揮します。さらに、消費電力が低いため発熱が少ない点も大きなメリットになります。
難点は価格が高いことですが、Ryzen 9 7950X3D / 7900X3Dと比べてRyzen 7 7800X3Dは安いため、まさに現在のキングオブゲーミングCPUといっても過言ではありません。
もしIntel CPUに有利な作りのソフトを使うのであれば、Core i9-14900K(F)を、どうしても価格を削りたい場合でもCore i7-14700K(F)までにしておいた方が良いでしょう。Core i5-14600K(F)でも良さそうに思えるかもしれませんが、このCPUはPコア(高性能コア)数が6とCore i9やCore i7よりも2つ少ないため、場合によっては結構な性能の落ち込みを示すことがありますので、避けた方が無難です。
それから、IntelのF付きCPUとAMDの5000番台までのCPUには、内蔵グラフィックス(iGPU)がない点にも注意が必要です。グラフィックボードが故障した場合、替えのグラボがなければディスプレイに表示することさえできなくなってしまうからです。よって、予備のグラボがないようであれば、iGPUを備えたCPUにしておくことをおすすめします。
メモリに関しては、これまで同様32GBで充分でしょう。
最後にストレージに関してです。高速なM.2 / NVMe(PCIe)接続のSSDが主流となって久しいですが、最新のPCIe 5.0やPCIe 4.0規格のSSDは、理論上は圧倒的な速度となっていますが、体感差はあまりないというのが実際のところです。よって、現時点ではこれらにこだわる必要はないとは思いますが、ダウングレードが行えないモデルもありますので、考慮には入れておいても良いかもしれません。
選び方の詳細については以下のページでお話ししていますので、参考にして下さい。
ハイエンド級のGeForce RTX 4080は高いCPU性能を要求しますから、ボトルネックのリスクを考えるとRyzen 7 7800X3Dが最適です。
これを搭載するモデルの最安はLEVEL-R7X7-LCR78D-VL2X(¥446,800)ですが、全体の最安より33,000円ほど高くなっています。
決して安くはありませんが、現役最高クラスの性能を持つRyzen 7 7800X3Dなら文句のつけようがありませんので、やはりおすすめモデルはLEVEL-R7X7-LCR78D-VL2Xで決まりです!
Intel CPUであればCore i9-14900KFがおすすめで、その最安はLEVEL-R779-LC149KF-VL2X(¥446,800)となりますが、Ryzen 7 7800X3DのLEVEL-R7X7-LCR78D-VL2X(¥446,800)と同額です。
両CPUの単体での価格差はCore i9-14900KFの方が36,000円ほど高いですから、モデルとしてのコスパはその分Core i9-14900KFのLEVEL-R779-LC149KF-VL2X(¥446,800)の方が良いといえるでしょう(CPU比較&ランキング > コストパフォーマンスランキング)。
ゲーミング性能でもRyzen 7 7800X3Dにやや劣りますが、Intel CPUに有利なゲームにはこちらの方が良いかと思いますし、またコア数の多さという大きなメリットもありますので、用途に合うようであればこちらもおすすめです。
同じIntel CPUで多少のフレームレートの落ち込みを覚悟してでもコスパを優先させるのであれば、Core i7-14700KFのLEVEL-R779-LC147KF-VL1X(¥389,100)も良いかもしれません。性能もそれほど落ちる訳ではありませんし、いざとなればオーバークロックで乗り切るという手もありますので、充分におすすめできるモデルです。