レイトレーシングという3Dグラフィックの新たな表現技法にハードウェアレベルで対応したGeForce 20シリーズは、Turing(チューリング)アーキテクチャを採用した世代です。
そして、RTX 20シリーズのGPUからレイトレーシング用のコアなどを削ったシリーズがGeForce GTX 16シリーズで、その分消費電力も下がっています。
GTX 16シリーズの最初のGPUがGeForce GTX 1660 Tiで、その性能は前世代の格上GPUGeForce GTX 1070を上回ってきました。
ここでは、そんなGeForce GTX 1660 Tiを搭載したBTOゲーミングPCの価格をスペックごとに徹底比較して、おすすめPCをご紹介したいと思います。
また、後にGeForce GTX 1660 SUPERが登場しましたが、その性能はGeForce GTX 1660 Tiとほぼ同じです。よって、ここでは両GPUを同じものとして扱うことにします。ご了承下さい。
BTOゲーミングPCの価格比較を簡単に行いたいならこちらへどうぞ。パーツや規格を選ぶと、それらで構成されたBTOゲーミングPCのスペックと価格が分かりやすく一覧表示されます。PC選びの一助となると思いますので、是非ご利用下さい。
ここからはGeForce GTX 1660 TiのGPU性能に関するデータをご覧頂きたいと思いますが、詳細はGPU(グラボ)比較&ランキングでお話ししていますので、ご一読頂ければ幸いです。
いくつかのベンチマークテストの平均スコア率のデータです。スコア率とは当サイト独自の指標で、テストの最上位スコアを100%とした場合の自身のスコアを百分率で表したもののことです。平均スコア率は、複数のテストにおけるスコア率の平均ですので、総合的な能力を表すことになります。
緑色がNVIDIA GeForceの、赤色がAMD RadeonのGPUです。ただし、対象となるGPUは現在BTOで採用されているものに限定しています。
それから、GPU名のリンクから、そのGPUを搭載したBTO PCをご紹介したページへ飛ぶことができますので、ご活用頂ければと思います。
GPU | 平均スコア率 |
---|---|
RTX 4090 | 100.0 % |
RTX 4080 | 84.0 % |
RX 7900 XTX | 80.8 % |
RX 7900 XT | 72.5 % |
RTX 4070 Ti | 70.7 % |
RTX 3080 | 56.8 % |
RTX 3070 Ti | 50.9 % |
RTX 3070 | 47.4 % |
RX 6700 XT | 42.9 % |
RTX 3060 Ti | 42.3 % |
RX 6600 XT | 34.3 % |
RTX 3060 | 34.0 % |
RTX 3050 | 24.8% |
GTX 1660 SUPER | 24.6 % |
GTX 1660 Ti | 23.9 % |
RX 6500 XT | 18.9 % |
RX 6400 | 14.3 % |
新世代GPU(GeForce RTX 40シリーズ、Radeon RX 7000シリーズ)の登場により、相対的な地位が少し下がって、今やエントリークラス(ロークラス)の性能となってしまいました。
ゲーミング性能は、4K(2160p): 20~30fps、WQHD(1440p): 50fps、FHD(1080p): 60~70fpsほどのようです。
この数字だと4Kはもちろんのこと、WQHD: 60fpsもしんどいですから、やはりFHDが主戦場ということになるかと思います。
Apex Legendsのような軽いゲームであればFHD: 120fpsも何とか見えてきそうですので、選択肢としてはありかもしれません。ただ、ある程度の余裕はあった方が良いですから、おすすめとしてはGeForce RTX 3060以上ということになるでしょう。
とはいえ、多くのゲームがミドルクラスGPUを基準に作られますので、このレベル帯のPCであればそれなりに遊べてしまうものです。とりあえずPCでゲームをやってみたい初心者は、この辺りを目標とすると良いでしょう。
PCはGPUだけで成り立っている訳ではありませんから、高い性能を発揮するにはその他のパーツもおろそかにはできません。
その中でも最も影響力が大きいパーツはCPUです。グラフィックボード(GPU)ほどではありませんが、場合によってはゲームのフレームレートを体感できるほど変えてしまいます。
それどころか、CPUの主な役割はシステムやその他のソフトウェアを処理することですから、その性能はゲームのみならずPC全体の挙動にも影響を及ぼします。
CPUがゲームのフレームレートにどれくらい影響するかのデータを以下に示します。
CPU | 4K | WQHD | FHD |
---|---|---|---|
第13世代Core (2022/10, 2023/01) | |||
Core i9-13900K | 99.9 | 97.2 | 94.4 |
Core i7-13700K | 99.1 | 94.2 | 91.2 |
Core i5-13600K | 97.3 | 89.9 | 85.9 |
Core i5-13400F | 90.6 | 75.9 | 70.5 |
第6世代Ryzen (2022/09, 2023/01, 02, 04) | |||
Ryzen 9 7950X3D | 99.2 | 95.0 | 94.2 |
Ryzen 9 7950X | 95.1 | 86.5 | 83.6 |
Ryzen 9 7900X | 95.0 | 86.8 | 83.5 |
Ryzen 9 7900 | 94.0 | 83.9 | 80.7 |
Ryzen 7 7800X3D | 100 | 100 | 100 |
Ryzen 7 7700X | 95.5 | 87.2 | 84.1 |
Ryzen 7 7700 | 94.7 | 86.3 | 83.1 |
Ryzen 5 7600X | 94.5 | 85.8 | 82.4 |
Ryzen 5 7600 | 93.4 | 84.0 | 80.5 |
第12世代Core (2021/11, 2022/01, 04) | |||
Core i9-12900K | 96.8 | 87.7 | 83.4 |
Core i7-12700K | 95.2 | 84.6 | 79.8 |
Core i5-12600K | 93.0 | 79.8 | 74.9 |
Core i5-12600 | 91.8 | 77.2 | 72.1 |
Core i5-12400F | 88.8 | 73.6 | 68.4 |
Core i3-12300 | 85.3 | 68.7 | 62.8 |
Core i3-12100F | 83.9 | 67.3 | 61.0 |
第4世代Ryzen (2020/11, 2022/04) | |||
Ryzen 9 5950X | 88.8 | 74.9 | 70.2 |
Ryzen 9 5900X | 88.5 | 74.6 | 69.8 |
Ryzen 7 5800X3D | 94.6 | 83.4 | 79.6 |
Ryzen 7 5800X | 87.5 | 73.3 | 68.5 |
Ryzen 7 5700X | 86.5 | 72.4 | 67.7 |
Ryzen 5 5600X | 86.1 | 71.6 | 67.0 |
Ryzen 5 5600 | 85.3 | 70.6 | 65.8 |
上の表はRyzen 7 7800X3Dの性能を100とした場合の各CPUの相対的な性能を数値化(%)したものです。14個のゲームで計測した平均フレームレートの平均値から算出したもので、4K(2160p)、WQHD(1440p)、FHD(1080p)の3種類の解像度で測定されています。また、GPUにはGeForce RTX 4090を使用しています。
一般的に高解像度よりも低解像度の方がCPUの影響力は大きくなりますが、上記のデータもまさにそういった傾向を見せています。4Kにおいては最高と最低の差は15ポイント程度ですが、FHDにおいては何と40ポイントも差が付いています。40%も性能が落ちるということは、GeForce RTX 4090がGeForce RTX 3080相当になるということになりますが、これでは良いGPUの意味がなくなってしまいます。
ただし、これはハイエンドGPUのGeForce RTX 4090だからこその数字である点に注意が必要です。CPUの影響力はGPU性能が高いほど大きくなるという特徴もあるからです。一応の目安としては、GeForce RTX 3070 Ti以上のGPUであれば、CPUの性能にも気を配った方が良さそうです。
以上により、GeForce GTX 1660 Tiに合わせるCPUは基本的にはどれでも良いとは思いますが、ゲーミング用途ではCPUの性能を下げ過ぎないことが重要です。セオリー通り、Core i7 / Ryzen 7以上ならば文句なしです。
逆に、Core i3などはコア数が4と少な目で、ゲーミング用途では不安ですので、避けることをおすすめします。
ここでは、BTOゲーミングPC価格チェッカーを使って、各ショップが販売しているBTOゲーミングPCの価格を徹底比較し、おすすめPCを導き出したいと思います。
構成は前項でお話しした通りです。これに合わせた場合の価格の一覧表を以下に示しますが、いくつか補足がありますのでご注意下さい。
モデル名 | 価格 | GPU | CPU | CS | メモリ | ストレージ | OS | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
容量 | 枚数 | 規格 | メイン | サブ | ||||||
▶ GG GA5A-B230B2 | ¥116,100 | GTX1660Ti (-18,700) | R5 5500 | AMD B550 | 16GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA5A-D230B | ¥125,100 (+9,000) | GTX1660Ti (-18,700) | R5 5600X | AMD B550 | 16GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe 4) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA5A-D230B | ¥128,400 (+12,300) | GTX1660Ti (-18,700) | R7 5700X (+3,300) | AMD B550 | 16GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe 4) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA5J-C230B3 | ¥142,300 (+26,200) | GTX1660Ti (-16,500) | i5-13400F | Intel B660 | 16GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe 4) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA5J-C230B3 | ¥147,800 (+31,700) | GTX1660Ti (-16,500) | i5-13400 (+5,500) | Intel B660 | 16GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe 4) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA5J-C230B3 | ¥150,000 (+33,900) | GTX1660Ti (-16,500) | i5-13500 (+7,700) | Intel B660 | 16GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe 4) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA7J-D230B | ¥169,299 (+53,199) | GTX1660Ti (-60,501) | i7-13700F | Intel B660 | 16GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe 4) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA7J-E230B | ¥174,697 (+58,597) | GTX1660Ti (-60,501) | i5-13600KF (-14,301) | Intel B660 | 16GB (-3,301) | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe 4) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA7J-D230B | ¥174,799 (+58,699) | GTX1660Ti (-60,501) | i7-13700 (+5,500) | Intel B660 | 16GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe 4) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA7J-E230B | ¥188,998 (+72,898) | GTX1660Ti (-60,501) | i7-13700KF | Intel B660 | 16GB (-3,301) | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe 4) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA7J-E230B | ¥221,998 (+105,898) | GTX1660Ti (-60,501) | i9-13900KF (+33,000) | Intel B660 | 16GB (-3,301) | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe 4) | - | Win 11 Home |
モデル名をクリックすると、詳細なスペック表と販売ページへのリンクが表示されます。
では、本題です。
まずGPUの次に重要なパーツとなるCPUについてですが、性能を発揮するためにはCPUも重要でお話しした通り、基本的に不問です。コア数の少ないPentiumやCeleronを除けば、何でも良いというのがこのクラスにおけるセオリーです。ただ、システム全体の安定性や後々GPUだけアップグレードさせる場合など将来性を考慮するのであれば、それなりに良いCPUを選んでおいた方が安心ではあります。
それよりもIntelのF付きCPUとAMDの5000番台までのCPUには、内蔵グラフィックス(iGPU)がない点には注意が必要です。グラフィックボードが故障した場合、替えのグラボがなければディスプレイに表示することさえできなくなってしまうからです。よって、予備のグラボがないようであれば、iGPUを備えたCPUにしておくことをおすすめします。
メモリに関しては、よほど重いゲームをするのでなければ16GBで良いでしょう。
最後にストレージに関してです。高速なM.2 / NVMe(PCIe)接続のSSDが主流となって久しいですが、最新のPCIe 5.0やPCIe 4.0規格のSSDは、理論上は圧倒的な速度となっていますが、体感差はあまりないというのが実際のところです。よって、現時点ではこれらにこだわる必要はないとは思いますが、ダウングレードが行えないモデルもありますので、考慮には入れておいても良いかもしれません。
選び方の詳細については以下のページでお話ししていますので、参考にして下さい。
さて、以上を踏まえた上でモデルを見ていきたいと思います。
最安はG-GEAR GA5A-B230/B2(¥116,100)ですが、このレベル帯のCPUならば、ゲームなど多くのソフトにとって有利なシングルスレッド性能(1コア当たりの性能)が高いIntelの方がおすすめですので、Core i5-13400Fを採用するG-GEAR GA5J-C230/B3(¥142,300)の方が長い目で見ると満足度は高くなるでしょう。
ただ、最安との価格差26,000円はかなり大きいですから、おすすめしづらい部分があります。
その最安モデルが採用するRyzen 5 5500はCPU性能にやや不安があるのですが、GeForce GTX 1660 Tiの相方としてなら全く問題はありません。よって、おすすめにはG-GEAR GA5A-B230/B2(¥116,100)を挙げたいと思います!
余裕を見るなら、Core i5-13400FのG-GEAR GA5J-C230/B3(¥142,300)をおすすめします。
CPUにもっと余力を持たせるのであれば、Core i7-13700Fを選べるG-GEAR GA7J-D230/B(¥169,299)をおすすめします。ただ、価格が最安モデルから53,000円も上がってしまいますので、無理に選ぶ必要はないと思います。