Ampere(アンペア)アーキテクチャを採用したNVIDIA GeForce RTX 30シリーズ。その初陣を飾ったGPUがGeForce RTX 3080です。
ハイエンドのポジションこそ、その1週後に発売されたGeForce RTX 3090に譲りましたが、前世代ハイエンドのGeForce RTX 2080 Tiを大幅に上回る性能となるなど、素晴らしい進歩を遂げたGPUに仕上がりました。
ここでは、そんなGeForce RTX 3080を搭載したBTOゲーミングPCの価格をスペックごとに徹底比較して、おすすめPCをご紹介したいと思います。
BTOゲーミングPCの価格比較を簡単に行いたいならこちらへどうぞ。パーツや規格を選ぶと、それらで構成されたBTOゲーミングPCのスペックと価格が分かりやすく一覧表示されます。PC選びの一助となると思いますので、是非ご利用下さい。
ここからはGeForce RTX 3080のGPU性能に関するデータをご覧頂きたいと思いますが、詳細はGPU(グラボ)比較&ランキングでお話ししていますので、ご一読頂ければ幸いです。
いくつかのベンチマークテストの平均スコア率のデータです。スコア率とは当サイト独自の指標で、テストの最上位スコアを100%とした場合の自身のスコアを百分率で表したもののことです。平均スコア率は、複数のテストにおけるスコア率の平均ですので、総合的な能力を表すことになります。
緑色がNVIDIA GeForceの、赤色がAMD RadeonのGPUです。ただし、対象となるGPUは現在BTOで採用されているものに限定しています。
それから、GPU名のリンクから、そのGPUを搭載したBTO PCをご紹介したページへ飛ぶことができますので、ご活用頂ければと思います。
GPU | 平均スコア率 |
---|---|
RTX 4090 | 100.0 % |
RTX 4080 | 84.0 % |
RX 7900 XTX | 80.8 % |
RX 7900 XT | 72.5 % |
RTX 4070 Ti | 70.7 % |
RTX 3080 | 56.8 % |
RTX 3070 Ti | 50.9 % |
RTX 3070 | 47.4 % |
RX 6700 XT | 42.9 % |
RTX 3060 Ti | 42.3 % |
RX 6600 XT | 34.3 % |
RTX 3060 | 34.0 % |
RTX 3050 | 24.8% |
GTX 1660 SUPER | 24.6 % |
GTX 1660 Ti | 23.9 % |
RX 6500 XT | 18.9 % |
RX 6400 | 14.3 % |
前世代のハイクラスGPUも、世代交代によってアッパーミドルクラスのポジションに追いやられてしまったような印象ですが、GeForce RTX 4070 Tiの下を埋めるには丁度良い数字を示していますので、まだまだ現役としてやれるGPUといえるでしょう。
ただし、グラフィックボード単体のコスパではGeForce RTX 4070 Tiにも1つ格下のGeForce RTX 3070 Tiにも及んでいませんので、今あえて選ぶGPUではないというのが率直な評価です。
とはいえ、BTO PCではコスパが良いといえるモデルもいくつかありますので、選択の余地は充分にあると思います。
GeForce RTX 3080を用いて測定されたゲームのフレームレート(fps: 秒あたりのフレーム数)のデータです。4K(2160p)、WQHD(1440p)、FHD(1080p)の3つの解像度で測定されています。また、どのテストもCPUにはCore i9-13900Kが採用されています。
快適なフレームレートの一般的な目安は60fpsですが、フレームレートは高ければ高いほど視認性が上がりますので、ゲームを有利にすることができます。特にFPSゲームやレースゲームのような動きの激しいゲームほど高フレームレートの恩恵を受けやすくなりますので、勝負にこだわる人は120fpsくらいはキープしたいところです。
それから一つ注意点ですが、エルデンリングはフレームレートが60fpsに制限されています。これを解除するにはMODを導入するなど特別な作業が必要になりますが、ここではその方法については扱いません。あくまでもGPU性能を計るためのデータということでご理解下さい。
4K | WQHD | FHD | |
---|---|---|---|
25 Games Avg | 85.2 | 139.7 | 178.7 |
エルデンリング | 65.7 | 99.3 | 122.0 |
25 Games Avgとは、25のゲームの平均フレームレートの平均値です。
25 Games Avgの4Kの平均が80~90fpsほどですので、常時60fpsならば達成可能でしょう。
また、WQHDは140fpsほどですが、これは平均の数値ですので、最低値はもっと下がってしまいます。とはいえ、これだけ高いフレームレートであれば少々数値を落としても支障をきたすことはまずありませんから、快適にプレイすることができると思います。
エルデンリングはやや重いゲームですが、本来は60fps制限が掛かっていますので、4K: 60fpsをクリアしていれば何も問題はないはずです。ただ、これを解除してもっと高いフレームレートで楽しみたいというのであれば、解像度を下げるかGPUをGeForce RTX 4070 Ti辺りに格上げして4Kに余裕を持たせるかした方が良いでしょう。
PCはGPUだけで成り立っている訳ではありませんから、高い性能を発揮するにはその他のパーツもおろそかにはできません。
その中でも最も影響力が大きいパーツはCPUです。グラフィックボード(GPU)ほどではありませんが、場合によってはゲームのフレームレートを体感できるほど変えてしまいます。
それどころか、CPUの主な役割はシステムやその他のソフトウェアを処理することですから、その性能はゲームのみならずPC全体の挙動にも影響を及ぼします。
CPUがゲームのフレームレートにどれくらい影響するかのデータを以下に示します。
CPU | 4K | WQHD | FHD |
---|---|---|---|
第13世代Core (2022/10) | |||
Core i9-13900K | 100.0 | 100.0 | 100.0 |
Core i7-13700K | 99.7 | 99.4 | 98.9 |
Core i5-13600K | 99.5 | 98.8 | 97.5 |
第6世代Ryzen (2022/09) | |||
Ryzen 9 7950X | 98.9 | 94.8 | 92.1 |
Ryzen 9 7900X | 98.5 | 94.5 | 91.5 |
Ryzen 7 7700X | 98.7 | 95.2 | 92.1 |
Ryzen 7 7700 | 98.6 | 95.0 | 91.3 |
Ryzen 5 7600X | 98.6 | 94.1 | 89.9 |
Ryzen 5 7600 | 98.2 | 93.2 | 88.3 |
第12世代Core (2021/11) | |||
Core i9-12900K | 100.0 | 98.1 | 96.0 |
Core i7-12700K | 99.7 | 97.0 | 94.1 |
Core i5-12600K | 99.3 | 94.7 | 90.6 |
Core i5-12600 | 99.1 | 93.3 | 87.3 |
Core i5-12400F | 98.7 | 90.1 | 84.1 |
Core i3-12300 | 98.2 | 87.8 | 79.9 |
Core i3-12100 | 97.9 | 87.1 | 78.5 |
第4世代Ryzen (2020/11) | |||
Ryzen 9 5950X | 98.2 | 91.0 | 85.1 |
Ryzen 9 5900X | 98.0 | 90.6 | 84.4 |
Ryzen 7 5800X3D | 99.0 | 94.2 | 88.6 |
Ryzen 7 5800X | 97.7 | 89.6 | 83.0 |
Ryzen 7 5700X | 97.4 | 88.3 | 81.3 |
Ryzen 5 5600X | 97.0 | 86.1 | 79.2 |
Ryzen 5 5600 | 96.5 | 85.1 | 78.0 |
上の表はCore i9-13900Kの性能を100とした場合の各CPUの相対的な性能を数値化(%)したものです。12個のゲームで計測した平均フレームレートの平均値から算出したもので、4K(2160p)、WQHD(1440p)、FHD(1080p)の3種類の解像度で測定されています。また、GPUにはGeForce RTX 3080を使用しています。
上記のテストを含めたCPUの性能については、CPU比較&ランキングやおすすめゲーミングCPUでお話ししていますので、是非ご覧下さい。
一般的に高解像度よりも低解像度の方がCPUの影響力は大きくなりますが、上記のデータもまさにそういった傾向を見せています。4Kにおいては最高と最低の差は3.5ポイント程度ですが、FHDにおいては何と22ポイントも差が付いています。20%も性能が落ちれば、GPUのクラスのランクが1つ2つ落ちてもおかしくはありませんが、これでは良いGPUの意味がなくなってしまいます。
よって、GeForce RTX 3080に合わせるCPUは、ボトルネックを避けるため、それなりに高性能にしておく必要があります。強い根拠がある訳ではありませんが、上記のデータで90%以上の数字を出しているCPUならそれなりに安心感はあるかと思います。
具体的にいうと、第13世代Core i5以上や第6世代Ryzen(7000番台)ならば問題はないでしょう。
第12世代CoreはCore i9-12900K / KFやCore i7-12700K / KFならば良いと思いますが、Core i5-12600K / KFはコア数が2つ少ないこともあってややパワー不足を感じるかもしれませんので、避けた方が良さそうです。
また、第4世代Ryzen(5000番台)はRyzen 7 5800X3Dを除いてゲーミング性能が少し物足りませんので、これらも避けることをおすすめします。
ここでは、BTOゲーミングPC価格チェッカーを使って、各ショップが販売しているBTOゲーミングPCの価格を徹底比較し、おすすめPCを導き出したいと思います。
構成は前項でお話しした通りです。これに合わせた場合の価格の一覧表を以下に示しますが、いくつか補足がありますのでご注意下さい。
モデル名 | 価格 | GPU | CPU | CS | メモリ | ストレージ | OS | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
容量 | 枚数 | 規格 | メイン | サブ | ||||||
▶ GG GA5A-D221B | ¥288,700 | RTX3080 (+63,800) | R7 5800X3D (*) (+52,800) | AMD B550 | 32GB (+14,300) | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA7J-H214ZB | ¥302,100 (+13,400) | RTX3080 (+66,000) | i7-12700KF | Intel Z690 | 32GB (+14,300) | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA7J-F223ZB | ¥327,550 (+38,850) | RTX3080 (*) (+65,450) | i7-13700KF | Intel Z690 | 32GB (+14,300) | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA9J-J214ZB2 | ¥332,250 (+43,550) | RTX3080 (*) (+43,450) | i9-12900K | Intel Z690 | 32GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) (-11,000) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA7J-F223ZB | ¥333,050 (+44,350) | RTX3080 (*) (+65,450) | i7-13700K (+5,500) | Intel Z690 | 32GB (+14,300) | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG neo GX7J-L223ZB | ¥367,300 (+78,600) | RTX3080 (+27,500) | i7-13700KF | Intel Z690 | 32GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG neo GX7J-L223ZB | ¥372,800 (+84,100) | RTX3080 (+27,500) | i7-13700K (+5,500) | Intel Z690 | 32GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA9J-G223ZB2 | ¥375,800 (+87,100) | RTX3080 (-22,000) | i9-13900KF | Intel Z690 | 32GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA7A-F224XB | ¥380,500 (+91,800) | RTX3080 (+27,500) | R7 7700X | AMD X670 | 32GB (+13,200) | 2 | DDR5-4800 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA9J-G223ZB2 | ¥381,300 (+92,600) | RTX3080 (-22,000) | i9-13900K (+5,500) | Intel Z690 | 32GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG neo GX7J-N224ZB | ¥387,300 (+98,600) | RTX3080 (+27,500) | i7-13700KF | Intel Z790 | 32GB | 2 | DDR5-4800 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG neo GX7J-N224ZB | ¥392,800 (+104,100) | RTX3080 (+27,500) | i7-13700K (+5,500) | Intel Z790 | 32GB | 2 | DDR5-4800 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG neo GX7J-L223ZB | ¥400,300 (+111,600) | RTX3080 (+27,500) | i9-13900KF (+33,000) | Intel Z690 | 32GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG neo GX7J-L223ZB | ¥405,800 (+117,100) | RTX3080 (+27,500) | i9-13900K (+38,500) | Intel Z690 | 32GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA9A-G224XB | ¥415,750 (+127,050) | RTX3080 (*) (+37,950) | R9 7900X (-22,000) | AMD X670 | 32GB | 2 | DDR5-4800 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG neo GX7J-N224ZB | ¥420,300 (+131,600) | RTX3080 (+27,500) | i9-13900KF (+33,000) | Intel Z790 | 32GB | 2 | DDR5-4800 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG neo GX7J-N224ZB | ¥425,800 (+137,100) | RTX3080 (+27,500) | i9-13900K (+38,500) | Intel Z790 | 32GB | 2 | DDR5-4800 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA9A-G224XB | ¥437,750 (+149,050) | RTX3080 (*) (+37,950) | R9 7950X | AMD X670 | 32GB | 2 | DDR5-4800 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG neo GX9A-L224XB | ¥448,399 (+159,699) | RTX3080 (-49,501) | R9 7900X | AMD X670 | 32GB | 2 | DDR5-4800 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG neo GX9J-T231ZB | ¥463,000 (+174,300) | RTX3080 (-176,000) | i9-13900KS | Intel Z790 | 32GB | 2 | DDR5-4800 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG neo GX9A-L224XB | ¥475,899 (+187,199) | RTX3080 (-49,501) | R9 7950X (+27,500) | AMD X670 | 32GB | 2 | DDR5-4800 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
モデル名をクリックすると、詳細なスペック表と販売ページへのリンクが表示されます。
またPCIe 4.0の高速SSDは除外していますので、ご了承下さい。これらを含め、様々な条件で比較を行いたいようでしたら、是非BTOゲーミングPC価格チェッカーを試して頂ければと思います。
では、本題です。
まずGPUの次に重要なパーツとなるCPUについてですが、性能を発揮するためにはCPUも重要でお話しした通り、第13世代Intel Coreが鉄板ですが、Ryzen 7000シリーズのRyzen 7 7700以上でも全く問題はありません。また今や前世代となった第12世代Intel CoreのCore i7-12700K以上やRyzen 5000シリーズのRyzen 7 5800X3Dでも構わないでしょう。これら未満だとバランスやパワーに少し不安がありますので、このクラスでは避けておいた方が無難です。
また、IntelのF付きCPUとAMDの5000番台までのCPUには、内蔵グラフィックス(iGPU)がない点にも注意が必要です。グラフィックボードが故障した場合、替えのグラボがなければディスプレイに表示することさえできなくなってしまうからです。よって、予備のグラボがないようであれば、iGPUを備えたCPUにしておくことをおすすめします。
メモリに関しては、これまで同様32GBで充分でしょう。
最後にストレージに関してです。高速なM.2 / NVMe(PCIe)接続のSSDが主流となって久しいですが、最新のPCIe 5.0やPCIe 4.0規格のSSDは、理論上は圧倒的な速度となっていますが、体感差はあまりないというのが実際のところです。よって、現時点ではこれらにこだわる必要はないとは思いますが、ダウングレードが行えないモデルもありますので、考慮には入れておいても良いかもしれません。
選び方の詳細については以下のページでお話ししていますので、参考にして下さい。
さて、以上を踏まえた上でモデルを見ていきたいと思います。
最安はRyzen 7 5800X3DのG-GEAR GA5A-D221B(¥288,700)ですが、このCPUは得意不得意がはっきりしたところがありますので、できればIntel CPUをおすすめします。
となると、2番目に安いCore i7-12700KFのG-GEAR GA7J-H214ZB(¥302,100)が候補になるかと思いますが、iGPU(内蔵グラフィックス)がない点を除けば過不足がなくバランスが良い構成という印象です。
グラフィックボードの故障に備えてiGPUを付けておくのであれば、5番目に安いCore i7-13700KのG-GEAR GA7J-F223/ZB(¥333,050)辺りが良さそうですが、Core i7-12700KFのG-GEAR GA7J-H214ZB(¥302,100)から31,000円ほどの価格アップになってしまいます。ただ、その分性能も上がっていますので、特別コスパが悪いという訳でもありません。
以上により、バランスとコスパを第一とするのであればCore i7-12700KFのG-GEAR GA7J-H214ZB(¥302,100)をおすすめします!
CPU性能とiGPUが欲しければ、Core i7-13700KのG-GEAR GA7J-F223/ZB(¥333,050)をおすすめします!