Ampere(アンペア)アーキテクチャを採用したNVIDIA GeForce RTX 30シリーズが登場して9か月後。GeForce RTX 3080 Tiとともに先行モデルのパワーアップ版となるGPU、GeForce RTX 3070 Tiが発売されました。
ここでは、そんなGeForce RTX 3070 Tiを搭載したBTOゲーミングPCの価格をスペックごとに徹底比較して、おすすめPCをご紹介したいと思います。
BTOゲーミングPCの価格比較を簡単に行いたいならこちらへどうぞ。パーツや規格を選ぶと、それらで構成されたBTOゲーミングPCのスペックと価格が分かりやすく一覧表示されます。PC選びの一助となると思いますので、是非ご利用下さい。
ここからはGeForce RTX 3070 TiのGPU性能に関するデータをご覧頂きたいと思いますが、詳細はGPU(グラボ)比較&ランキングでお話ししていますので、ご一読頂ければ幸いです。
いくつかのベンチマークテストの平均スコア率のデータです。スコア率とは当サイト独自の指標で、テストの最上位スコアを100%とした場合の自身のスコアを百分率で表したもののことです。平均スコア率は、複数のテストにおけるスコア率の平均ですので、総合的な能力を表すことになります。
緑色がNVIDIA GeForceの、赤色がAMD RadeonのGPUです。ただし、対象となるGPUは現在BTOで採用されているものに限定しています。
それから、GPU名のリンクから、そのGPUを搭載したBTO PCをご紹介したページへ飛ぶことができますので、ご活用頂ければと思います。
GPU | 平均スコア率 |
---|---|
RTX 4090 | 100.0 % |
RTX 4080 | 84.0 % |
RX 7900 XTX | 80.8 % |
RX 7900 XT | 72.5 % |
RTX 4070 Ti | 70.7 % |
RTX 3080 | 56.8 % |
RTX 3070 Ti | 50.9 % |
RTX 3070 | 47.4 % |
RX 6700 XT | 42.9 % |
RTX 3060 Ti | 42.3 % |
RX 6600 XT | 34.3 % |
RTX 3060 | 34.0 % |
RTX 3050 | 24.8% |
GTX 1660 SUPER | 24.6 % |
GTX 1660 Ti | 23.9 % |
RX 6500 XT | 18.9 % |
RX 6400 | 14.3 % |
新世代となるGeForce RTX 40シリーズの登場により、数字上はザ・ミドルといったポジションに収まった感がありますが、GeForce RTX 3070 Tiは4K(2160p): 60fpsを狙えるほどの高い性能を持ちますので、いわゆるミドルクラスとは一線を画すGPUといえるでしょう。
また、1つ格上のGeForce RTX 3080はGeForce RTX 3070 Tiよりも10%ほど高い性能を持つGPUですが、コスパでは後者の方がずっと上ですから、そこまで高い性能を必要としていないのであればGeForce RTX 3070 Tiを選んだ方がお得です。
ただ、1つ格下のGeForce RTX 3070の方がずっと高いコスパを示していますので、率直にいってこちらの方がおすすめ度は上です。しかし、これらを搭載するBTO PCではGeForce RTX 3070 Tiを採用するモデルの中にも高コスパのものがありますので、それならば選ぶ価値は充分にあるといえるでしょう。
PCはGPUだけで成り立っている訳ではありませんから、高い性能を発揮するにはその他のパーツもおろそかにはできません。
その中でも最も影響力が大きいパーツはCPUです。グラフィックボード(GPU)ほどではありませんが、場合によってはゲームのフレームレートを体感できるほど変えてしまいます。
それどころか、CPUの主な役割はシステムやその他のソフトウェアを処理することですから、その性能はゲームのみならずPC全体の挙動にも影響を及ぼします。
CPUがゲームのフレームレートにどれくらい影響するかのデータを以下に示します。
CPU | 4K | WQHD | FHD |
---|---|---|---|
第13世代Core (2022/10) | |||
Core i9-13900K | 100.0 | 100.0 | 100.0 |
Core i7-13700K | 99.7 | 99.4 | 98.9 |
Core i5-13600K | 99.5 | 98.8 | 97.5 |
第6世代Ryzen (2022/09) | |||
Ryzen 9 7950X | 98.9 | 94.8 | 92.1 |
Ryzen 9 7900X | 98.5 | 94.5 | 91.5 |
Ryzen 7 7700X | 98.7 | 95.2 | 92.1 |
Ryzen 7 7700 | 98.6 | 95.0 | 91.3 |
Ryzen 5 7600X | 98.6 | 94.1 | 89.9 |
Ryzen 5 7600 | 98.2 | 93.2 | 88.3 |
第12世代Core (2021/11) | |||
Core i9-12900K | 100.0 | 98.1 | 96.0 |
Core i7-12700K | 99.7 | 97.0 | 94.1 |
Core i5-12600K | 99.3 | 94.7 | 90.6 |
Core i5-12600 | 99.1 | 93.3 | 87.3 |
Core i5-12400F | 98.7 | 90.1 | 84.1 |
Core i3-12300 | 98.2 | 87.8 | 79.9 |
Core i3-12100 | 97.9 | 87.1 | 78.5 |
第4世代Ryzen (2020/11) | |||
Ryzen 9 5950X | 98.2 | 91.0 | 85.1 |
Ryzen 9 5900X | 98.0 | 90.6 | 84.4 |
Ryzen 7 5800X3D | 99.0 | 94.2 | 88.6 |
Ryzen 7 5800X | 97.7 | 89.6 | 83.0 |
Ryzen 7 5700X | 97.4 | 88.3 | 81.3 |
Ryzen 5 5600X | 97.0 | 86.1 | 79.2 |
Ryzen 5 5600 | 96.5 | 85.1 | 78.0 |
上の表はCore i9-13900Kの性能を100とした場合の各CPUの相対的な性能を数値化(%)したものです。12個のゲームで計測した平均フレームレートの平均値から算出したもので、4K(2160p)、WQHD(1440p)、FHD(1080p)の3種類の解像度で測定されています。また、GPUにはGeForce RTX 3080を使用しています。
上記のテストを含めたCPUの性能については、CPU比較&ランキングやおすすめゲーミングCPUでお話ししていますので、是非ご覧下さい。
一般的に高解像度よりも低解像度の方がCPUの影響力は大きくなりますが、上記のデータもまさにそういった傾向を見せています。4Kにおいては最高と最低の差は3.5ポイント程度ですが、FHDにおいては何と22ポイントも差が付いています。20%も性能が落ちれば、GPUのクラスのランクが1つ2つ落ちてもおかしくはありませんが、これでは良いGPUの意味がなくなってしまいます。
ただ、このデータはGeForce RTX 3080を使用して測定されたものですが、GeForce RTX 3070 Tiはそれよりも性能がやや低いですから、CPUに求められる性能も少しだけ低くなります。つまり、GeForce RTX 3070 Tiを使用して測定すると、多くのCPUが上記のデータよりもスコアを上げるということです。
とはいえ、GeForce RTX 3070 Tiのパワーは決して低くはありませんから、これに合わせるCPUはボトルネックを避けるため、それなりの性能は欲しいところです。強い根拠がある訳ではありませんが、上記のデータで90%近い数字を出しているCPUならそれなりに安心感はあるかと思います。
具体的にいうと、第13世代Core i5-13600K / KF以上や第6世代Ryzen(7000番台)ならば文句なしです。
第12世代CoreはCore i9-12900K / KFやCore i7-12700K / KFならば問題ありませんが、Core i5-12600K / KFはコア数が2つ少ないこともあってやや不安がない訳ではありません。ただ、多少のフレームレートの低下なら許容できるのであれば、価格次第では選ぶのもありだと思います。
また、第4世代Ryzen(5000番台)はRyzen 7 5800X3Dを除いてゲーミング性能が少し物足りませんので、これらも避けることをおすすめします。
ここでは、BTOゲーミングPC価格チェッカーを使って、各ショップが販売しているBTOゲーミングPCの価格を徹底比較し、おすすめPCを導き出したいと思います。
構成は前項でお話しした通りです。これに合わせた場合の価格の一覧表を以下に示しますが、いくつか補足がありますのでご注意下さい。
モデル名 | 価格 | GPU | CPU | CS | メモリ | ストレージ | OS | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
容量 | 枚数 | 規格 | メイン | サブ | ||||||
▶ GG GA7J-E221B | ¥215,800 | RTX3070Ti (+22,000) | i5-12600K (-11,000) | Intel B660 | 16GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA7J-E221B | ¥224,600 (+8,800) | RTX3070Ti (+22,000) | i7-12700F (-2,200) | Intel B660 | 16GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA7J-E221B | ¥226,800 (+11,000) | RTX3070Ti (+22,000) | i7-12700 | Intel B660 | 16GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA7J-E221B | ¥232,300 (+16,500) | RTX3070Ti (+22,000) | i7-12700KF (+5,500) | Intel B660 | 16GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA5J-E223B | ¥238,300 (+22,500) | RTX3070Ti (+38,500) | i5-13600KF | Intel B660 | 16GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA7J-H214ZB | ¥240,500 (+24,700) | RTX3070Ti (+35,200) | i5-12600K (-16,500) | Intel Z690 | 16GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA5J-E223B | ¥243,800 (+28,000) | RTX3070Ti (+38,500) | i5-13600K (+5,500) | Intel B660 | 16GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA7J-C230B | ¥244,099 (+28,299) | RTX3070Ti (+27,500) | i5-13600KF (-13,201) | Intel B660 | 16GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA7J-C230B | ¥246,300 (+30,500) | RTX3070Ti (+27,500) | i5-13600K (-11,000) | Intel B660 | 16GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA5A-D221B | ¥246,400 (+30,600) | RTX3070Ti (+30,800) | R7 5800X3D (*) (+52,800) | AMD B550 | 16GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA7J-H214ZB | ¥257,000 (+41,200) | RTX3070Ti (+35,200) | i7-12700KF | Intel Z690 | 16GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA7J-C230B | ¥257,300 (+41,500) | RTX3070Ti (+27,500) | i7-13700F | Intel B660 | 16GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA7J-C230B | ¥262,800 (+47,000) | RTX3070Ti (+27,500) | i7-13700 (+5,500) | Intel B660 | 16GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA9J-J214ZB2 | ¥283,300 (+67,500) | RTX3070Ti | i9-12900K | Intel Z690 | 16GB (-5,500) | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) (-11,000) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA7J-F223ZB | ¥295,750 (+79,950) | RTX3070Ti (*) (+37,950) | i7-13700KF | Intel Z690 | 16GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA7J-F223ZB | ¥301,250 (+85,450) | RTX3070Ti (*) (+37,950) | i7-13700K (+5,500) | Intel Z690 | 16GB | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG neo GX7J-L223ZB | ¥334,300 (+118,500) | RTX3070Ti | i7-13700KF | Intel Z690 | 16GB (-5,500) | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG neo GX7J-L223ZB | ¥339,800 (+124,000) | RTX3070Ti | i7-13700K (+5,500) | Intel Z690 | 16GB (-5,500) | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA9J-G223ZB2 | ¥344,799 (+128,999) | RTX3070Ti (-49,501) | i9-13900KF | Intel Z690 | 16GB (-5,500) | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG GA9J-G223ZB2 | ¥350,299 (+134,499) | RTX3070Ti (-49,501) | i9-13900K (+5,500) | Intel Z690 | 16GB (-5,500) | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG neo GX7J-L223ZB | ¥367,300 (+151,500) | RTX3070Ti | i9-13900KF (+33,000) | Intel Z690 | 16GB (-5,500) | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
▶ GG neo GX7J-L223ZB | ¥372,800 (+157,000) | RTX3070Ti | i9-13900K (+38,500) | Intel Z690 | 16GB (-5,500) | 2 | DDR4-3200 | 1TB (PCIe) | - | Win 11 Home |
モデル名をクリックすると、詳細なスペック表と販売ページへのリンクが表示されます。
またPCIe 4.0の高速SSDは除外していますので、ご了承下さい。これらを含め、様々な条件で比較を行いたいようでしたら、是非BTOゲーミングPC価格チェッカーを試して頂ければと思います。
では、本題です。
まずGPUの次に重要なパーツとなるCPUについてですが、性能を発揮するためにはCPUも重要でお話しした通り、Core i7-13700K / KF辺りを合わせておきたいところです。
また、IntelのF付きCPUとAMDの5000番台までのCPUには、内蔵グラフィックス(iGPU)がない点にも注意が必要です。グラフィックボードが故障した場合、替えのグラボがなければディスプレイに表示することさえできなくなってしまうからです。よって、予備のグラボがないようであれば、iGPUを備えたCPUにしておくことをおすすめします。
メモリに関しては、よほど重いゲームをするのでなければ16GBで良いでしょう。ただ、このクラスなら32GBあった方が安心ではあります。
最後にストレージに関してです。高速なM.2 / NVMe(PCIe)接続のSSDが主流となって久しいですが、最新のPCIe 5.0やPCIe 4.0規格のSSDは、理論上は圧倒的な速度となっていますが、体感差はあまりないというのが実際のところです。よって、現時点ではこれらにこだわる必要はないとは思いますが、ダウングレードが行えないモデルもありますので、考慮には入れておいても良いかもしれません。
選び方の詳細については以下のページでお話ししていますので、参考にして下さい。
さて、以上を踏まえた上でモデルを見ていきたいと思います。
最安はCore i5-12600K + B660チップセットのG-GEAR GA7J-E221/B(¥215,800)ですが、パワー面で少し不安がある上、オーバークロック(OC)にも未対応のチップセットですので、おすすめしづらいといわざるを得ません。OCに対応はしておいて、CPUパワーに不足を感じた時はOCでしばらく乗り切るというのは悪くはない考えですので、Core i5-12600K + Z690チップセットのG-GEAR GA7J-H214/ZB(¥240,500)辺りまでスペックアップしておいた方が良いと思います。
ただ、ここまで上げるのであれば、OCには未対応ながら最新のCore i5-13600K / KF + B660チップセットのG-GEAR GA5J-E223/B(¥238,300)の方が総合力では上かつ価格は同等以下という、いわゆるコスパの良いモデルになると思います。
あるいはもう少し上のCore i7-12700K / KF + Z690チップセットのG-GEAR GA7J-H214/ZB(¥257,000)であれば基本性能、コア数、OCと余裕のあるスペックになりますので、おすすめしやすいモデルといえます。
以上により、コスパ重視であれば、最安となるCore i5-12600K + B660チップセットのG-GEAR GA7J-E221/B(¥215,800)をおすすめします!
後はCPUに望む性能次第ということになりますが、GeForce RTX 3070 Tiの低くはない性能を考えると、やはり余裕を見てCore i7-12700K / KF + Z690チップセットのG-GEAR GA7J-H214/ZB(¥257,000)をおすすめしたいと思います。